プログラム
プログラム概要
会長講演
会長講演 5月9日(金) 13:20-13:50 第1会場
座長:青山 恵美(愛知医科大学 看護学部)
演者:橋本 丈代(福岡大学病院)
学会テーマにある
Mission:使命や役割、存在意義。社会において果たすべき役割
Action:前に踏み出す力、チームで働く力
Passion:情熱をもって臨む
COVID-19の経験を経て、2024年度の診療報酬改定においては益々新興感染症に対応する体制づくりや地域のリソースとして、ICNがより活用できる仕組みづくりやネットワークの構築・強化が期待されています。そして、他職種や他団体とよりよい関係構築を意識しつつ、レジリエンスを高めながら変化にしなやかに対応する力も求められている。自身の経験を交えてこの機会にぜひ自身のICNとしてのキャリアを見つめ、ICNの前に進む力の糧にしていただけるような講演にしたい。
特別講演
特別講演 5月10日(土) 13:00-13:50 第1会場
座長:橋本 丈代(福岡大学病院)
演者:洪 愛子(神戸女子大学)
本学会ではICNが自身の置かれた立ち位置を見据えミッションマネジメントを考え、次の行動に
つなげる機会にしたいと考える。
本講演では、1998年に感染管理が認定看護分野に特定され、2000年の教育課程開始にご尽力された先生方の当時の思いと、この先未来のICN達に寄せる役割期待や展望などを語って頂きたい。コロナ禍前後で社会がICNの必要性を認識し、数は増えているものの残念ながらICNJ学会の機運が足踏みした時期もあった。また、働くということに疲弊したICNもいると聞く。「わくわく・いきいき」働き続けられるICNの動機づけや次世代を担うICNや多様なステージで活躍する者へのエールを期待する。
教育講演
教育講演1 5月9日(金) 14:00-14:50 第1会場
座長:松島 由実(社会医療法人 畿内会 岡波総合病院)
演者:坂本 史衣(板橋中央総合病院)
CNICの業務を長く担い、その後管理職、大学等の教員や行政職など、様々な役割を担うCNICが増えてきた。このような中、長く病院内のICPとして従事された先生は、教育・指導などに励まれてこられ、次のステップとして系列病院が数多くある施設へ移動となり、現場から経営者のサポートへ立ち位置が変わられた。感染対策の指導が間接的になるも、医療の質および安全管理面は継続して対応されている。
コロナ禍に負けじと励んできたベテランCNICが今後のライフスタイルを兼ね、役割が変わろうとも医療の質としての感染対策の繋がりは続くと思われる。CNICとして、今後の自己の将来をどのように見据えていけばよいのかを、講師よりエールをいただき、次のステップを考えていく機会にしたいと考える。
教育講演2 5月9日(金) 14:00-14:50 第2会場
座長:三浦 美穂(久留米大学病院 感染制御部)
演者:田中 勝(久留米大学医療センター医療安全・感染対策室)
高齢化率は年々増加し、地域間格差があり、高齢者施設に限らず一般病院でも高齢者の割合は増加傾向にある。65歳以上の約15%が認知症患者で、2022年は約443万人、2040年は約584万人と大幅に増える見通しであり、ICNは病院だけでなく地域や介護施設へ活動を拡げる必要がある。しかし、我々ICNは、『高齢者』をどこまで、正しく理解できているだろうか。感染対策を行ううえで、患者の協力は不可欠だが、認知症やせん妄時には協力が得られないことが多々ある。実際にコロナ病床では協力が得られず、身体拘束等をやむを得ず行ったケースもあり、本当に良かったのか?と倫理的な観点で振り返ることが多い。
ICNとして、高齢者の身体的特徴、せん妄や、認知症の基本的な知識を理解し、安全に、かつ、高齢者の尊厳が守られる感染対策が実践できるような基礎的知識の講演を企画した。講師は医療安全管理者としても活動し、ICNとともにコロナ対応も行った老人看護専門看護師を推薦する。
教育講演3 5月9日(金) 14:00-14:50 第3会場(動画発表)
教育講演4 5月9日(金) 17:00-17:50 第1会場
座長:峯 麻紀子(重工記念長崎病院)
演者:宇都 由美子(NPOかごしま保健医療福祉サービスを考える会)
医療関連感染の防止は、医療の質に影響を及ぼす重要な要素である。医療の質を評価するインジケーターとして、医療関連感染サーベイランスのアウトカム指標等が認識されているものの、これらを感染制御部門以外の職員が医療情報の1つとして正しく理解し活用できているだろうか。また、私たち自身も自施設で収集できる様々なデータを有効に感染管理に活かすことができているだろうか。
感染管理認定看護師・感染症看護専門看護師は、その業務の性質上より高いマネジメント能力を求められる。施設の医療の質向上に向けた様々な医療情報の活用方法や今注目の医療DX推進の観点から、特に私たち感染管理者に期待することをご講演いただきたい。
教育講演5 5月9日(金) 17:00-17:50 第3会場
座長:平松 玉江(国際医療福祉大学成田病院)
演者:吉本 譲爾(小倉記念病院 医療連携課)
感染管理の現場では、多職種が連携して業務を進める必要があるが、価値観の違いや情報の行き違いにより、コンフリクトが生じることがある。これらに適切に対処しなければ、チームの協力関係が損なわれ、感染対策の質の低下やスタッフのストレス増大につながる恐れがある。本セッションでは、経験豊富な医療メディエーターから、感染管理で直面するコンフリクトへの対処法を学ぶ。コンフリクトの構造や基本的な考え方を理解するとともに、現場で活用できるコミュニケーションスキルや問題解決の手法、ストレス軽減の方法を習得することを目指す。ICNが自信をもって、いきいきと働いていくための具体的な対処法を学ぶ機会としたい。
教育講演6 5月10日(土) 9:00-9:50 第2会場
リーダーシップとチームワークで創る個人と組織のWell-Being プログラム詳細
座長:橋本 丈代(福岡大学病院)
演者:中川 朋子(桜十字グループ CQ本部 CQ推進部)
今回、テーマに掲げた「Mission Action Passion」の着想は、演者である中川朋子先生が前看護部長の時に管理者としてぶれることなく病院の職種の垣根を超えて伝えられ、自らも様々な病院改革に取り組まれミッションを具現化された実績がある。特にコロナパンデミック禍には様々な混乱や変化の中、病院の重要な意思決定の場面においてキーパーソンとして牽引してこられた。医療を取り巻く変化が大きい時代だからこそ、しなやかに人と人のつながりを大事にし柔軟に対応するマネジメントの真髄をご講演いただきたい。
教育講演7 5月10日(土) 9:00-9:50 第3会場
座長:野田 洋子(金沢医科大学病院 医療安全部 感染制御室)
演者:菅原 えりさ(一般社団法人感染防止教育センター)
国内では自然災害の発生頻度が高くなっており災害発生時の自施設の備えはもちろんのこと、コロナ禍を経て被災地における感染制御の重要性の認識はさらに高まりつつある。災害時の感染制御については、能登地震を機に、国の体制整備が急速に進められているところであり、ICNとしてその動向を把握しておくことが望ましい。ここでは、これまで災害時の感染制御活動にご尽力されてきた先生に、災害時の感染制御に関する基礎知識について解説いただくと同時に、まさに歴史的転換期にあるDICTに関する最新情報について共有いただきい。
ベーシックレクチャー
ベーシックレクチャー1 5月9日(金) 17:00-17:50 第2会場
座長:藤本 陽子(熊本大学病院感染制御部)
演者:清祐 麻紀子(九州大学病院 検査部)
薬剤耐性の拡大を予防するためにはAMR対策は世界的に重要課題であり、抗菌薬適正使用の推進とともにDiagnostic Stewardship(DS)は実践すべき重要な取り組みである。DSは「診療支援」であり、抗菌薬適正使用の実行に不可欠である。DSは検査プロセスであるが、臨床検査技師だけでなく医師や看護師も十分に理解しておく必要がある。DSの実践について講演頂き、検査技師の立場からICNに期待することを講演頂くことで、職員教育を担うICNが自施設の取り組みを検討する機会となるプログラムを企画したいと考える。
シンポジウム
シンポジウム1 5月9日(金) 15:00-16:30 第1会場
座長:藤田 烈(国際医療福祉大学)、小林 里沙(九州大学病院)
演者:眞名井 理恵(大分大学医学部附属病院)、千葉 均(千葉大学医学部附属病院 感染制御部)、大迫 ひとみ(兵庫県立尼崎総合医療センター)
ターゲットサーベイランスがこれまで主流であったが、病院機能評価の2022年12月の追加改定(一般3の患者中心医療の推進 領域1)の継続的な質改善活動の中で、包括的なサーベイランスを実施するよう説明されている。病院全体の拡大したサーベイランスの方法や、その結果として、どのような改善が認められているのか? 初めて包括的サーベイランスの取り組みを行った施設や、既に実施していた施設などの具体的取組みなど、実際のサーベイランス効果などを聞くことで、その後のCNICとしてのサーベイランスのあり方の検討や示唆について、特に今後、受審される施設には参考になると思われる。
シンポジウム2 5月9日(金) 15:00-16:30 第2会場
座長:赤峰 みすず(大分県福祉保健部 健康政策・感染症対策課)、中川 祐子(北九州市立八幡病院)
演者:戸田 美穂子(津久見市医師会立津久見中央病院)、森下 幸子(地方独立行政法人奈良県立病院機構 医療専門職教育センター)、
朝野 愛子(社会福祉法人 今山会)
R6年度より、診療報酬・介護報酬・障害者支援施設等のトリプル改定となった。社会福祉施設ではR3年より感染症対応力の向上を求められており、今回、高齢者施設および障害者支援施設等は感染対策向上加算が新設され、診療報酬では感染対策向上加算の施設基準に高齢者施設との連携が追加された。コロナ禍前より支援を行っていた地域もあるだろうが、地域連携の枠組みは医療機関だけでなく、高齢者施設や障害者施設へと拡大された。これにより、さらにCNICの活動の場は拡大され、対象に合った助言や支援が期待される。今後の社会福祉施設と医療機関との連携について、それぞれの立場からご講演頂き、今後の連携を含め、関り方などについて考える機会としたい。
シンポジウム3 5月9日(金) 15:00-16:30 第3会場
座長:執行 えりこ(独立行政法人国立病院機構 佐賀病院)、太田 悦子(大阪大学医学部附属病院)
演者:重松 孝誠(独立行政法人国立病院機構嬉野医療センター)、冨田 泉(独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター感染管理室)、
興梠 裕樹(高千穂町国民健康保険病院 医療安全管理部 感染管理室)、山下 智雅(飯塚病院)
新型コロナウイルス感染症のパンデミックを契機に、様々な分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速している。医療現場においても、業務の効率化と質の向上のためにDXは不可欠となり、感染管理の領域も例外ではない。では、具体的にどのように活用できるのだろうか。本セッションでは、AIやデジタル技術が感染管理にもたらす革新の可能性を探求し、教育や議事録、サーベイランス、現場の感染対策支援など、身近な業務からDXを推進するInfection Control Nurse(ICN)の実践事例を紹介する。これらの事例をDX導入の第一歩とするための実践ガイドとし、DXによって進化する感染管理の未来を考える機会としたい。
シンポジウム4 5月10日(土) 10:00-11:30 第1会場
座長:山下 恵美(一般財団法人平成紫川会 小倉記念病院)、赤峰 みすず(大分県福祉保健部 健康政策・感染症対策課)
演者:黒須 一見(国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター)、渡邉 正美(NHO 浜田医療センター)、
下川 結花(国家公務員共済組合連合会 横須賀共済病院)
AMR対策で注目される薬剤耐性菌の一つであるVREだが、終息には困難をきたす施設が多い。VREは1例の発見から感染がすでに広がっている可能性が高く、地域に拡散した場合の制御には数年を要することがある。地域への拡大を防ぐことはCNICの重要なミッションのひとつである。このセッションでは、アウトブレイクを経験されたCNICの先生方からVRE拡大防止のための包括的なアプローチを伺い、アウトブレイクでICNが陥りやすいピットフォールや支援方法、また、共通する問題点からCNICの進むべき方向への示唆や行政の立ち位置なども含めてご教授いただき、ICNの役割や地域の連携についても考える機会にしたいと思っている。
シンポジウム5 5月10日(土) 10:00-11:30 第2会場
座長:甲斐 美里(済生会熊本病院)、森 美菜子(広島大学病院 感染制御部)
演者:宮﨑 里紗(福岡大学病院)、野瀬 正樹(箕面市立病院)、嶋 雅範(三菱京都病院)、
木下 庸佑(医療法人伯鳳会東京曳舟病院 感染制御室)
院内には多くの専門職が存在し、それぞれが異なる視点で感染対策に関わっている。ICTが日常的に行うサーベイランスを軸に、チーム同士が連携することで、個々の患者だけでなく、患者集団の感染予防や質の高いケアの提供が可能となる。本セッションでは、ICT/ICNと他チーム・専門分野の協働に焦点を当て、それぞれの強みを生かしたサーベイランスの実践例を紹介する。ICTが多職種とどのように協力し、チームの力を最大限に引き出すか、またその成果を感染対策にどう生かすかを考える機会としたい。
シンポジウム6 5月10日(土) 14:10-15:40 第1会場
座長:江﨑 祐子(久留米大学医療センター)、柴谷 涼子(公益社団法人大阪府看護協会)
演者:崎浜 智子(久留米大学医学部看護学科/大学院感染看護学分野)、雨宮 みち(医療法人社団亮正会 総合高津中央病院)、
稗田 文代(福岡検疫所検疫衛生課)
2024年現在、感染管理資格取得者(ICN)は3700名を超え、今後も益々、ICNの役割が期待されている。ICNの活動の幅は広がり、病院だけでなく様々なステージで活躍の場があり、教育や、看護管理者等、多くのキャリア形成の可能性がある。経験の長いICNは、病院経験を経て、次のステップへ進んでいる方も多く、次のステップに進むときには、一歩踏み出す勇気をもって対応されたと考える。どのようなターニングポイントがあり、どうやって自分自身の意思決定をしたのか、非常に興味深い。教育課程で学んだICNとしての知識や価値観を、次のステップでどのように生かしているかについて語っていただき、後輩ICNに、エールを送っていただくことで、これから活躍するICNにとって非常に参考になると考える。教育や看護管理者としてご活躍の先生方より、経験をお話いたくことで、ICNの将来への希望が広がりキャリア形成につながると考え、企画したい。
シンポジウム7 5月10日(土) 14:10-15:40 第2会場
座長:四宮 聡(箕面市立病院)、田上 恵梨(熊本中央病院)
演者:隈本 晶子(医療法人 共生会 びろうの樹)、小森 順子(社会医療法人暁星会 介護老人保健施設並木の里)、
比嘉 理恵美(独立行政法人国立病院機構琉球病院)
ICNの活動のフィールドは医療機関のみならず、高齢者施設、診療所、精神科病棟、重症心身障害児病棟など多岐にわたる。このシンポジウムでは医療機関以外の施設で活躍する先生方に、各施設における感染対策と教育の取り組みについてご発表いただく。実践した内容だけでなく、各施設における感染対策・教育の難しさや、それに対してどう対応しているのかを共有したいと考えている。活動する中での苦労や、工夫した点などをご発表いただき、様々な施設の感染対策と教育の実際について学ぶ機会としたい。
座談会
座談会 5月10日(土) 10:00-11:30 第3会場
座長:杉町 富貴子(福岡国際医療福祉大学生涯教育センター)、興梠 裕樹(高千穂町国民健康保険病院 医療安全管理部 感染管理室)
演者:山田 恵利華(村尾在宅クリニック)、今川 嘉樹(姫路聖マリア病院)、丸谷 知実(飯塚病院 感染管理センター)、
執行 えりこ(独立行政法人国立病院機構 佐賀病院)
2020年から特定行為研修を組み込んだ認定看護師の教育(B課程)が開始した。2024年12月現在、【B課程】感染管理認定看護師数は955名であり、2022年12月の263名と比較すると約4倍となっている。感染管理認定看護師における特定行為研修修了者の活動は、迅速な感染症診療につながることが期待されている。
この座談会では、特定行為研修を修了し、実践されている先生方にご登壇いただき、簡単に実践内容をご報告いただく。更に、苦労している点や今後の展望などを、本音を交えながら座談会形式でお話しいただく。このセッションの参加者には、個人のスマートフォンを活用し、現在の活動内容や実践についてアンケートを実施する予定である。特定行為研修修了者、または特定行為研修を受講しようとしている者がこの座談会に参加することで、自施設における感染症診療の方向性を考える機会としたい。