公募シンポジウム

シンポジウム テーマ一覧

※セッション番号について:
開催日 + 午前 / 午後 (A / P) + シンポジウム(S)+ -(ハイフン)+ 会場
(例)1AS-01:第1日目・午前・第01会場

※時間について:
(午前)9:00-11:15、(午後)16:45-19:00

※講演言語について:
E 英語 J 日本語

※ライブ配信を行いますが、オンデマンド配信の予定はございません。

1AS-01 11月27日(水)
9:00-11:15
細菌発がん / Bacterial ongogenesis
公募企画E
細菌発がん: 細菌とヒト双方のゲノムとエピゲノムからの全体像
Bacterial oncogenesis: Bacterial/human genomes/epigenomes
オーガナイザー
小林 一三(基礎生物学研究所)、Constanza Camargo(National Cancer Institute)
詳 細

生命活動と疾患での微生物の重要性が,マイクロバイオーム研究とコロナ・パンデミックによって広く認識されるようになった。その中で,様々ながんへの細菌の関わりを示唆する結果が,ここ数年蓄積している。本国際シンポジウムでは,細菌とヒト双方の最先端の大規模ゲノム/エピゲノム解析から,細菌発がんの一塩基分解能での分子機構と全体像を明らかにし,がん研究とがん医療へのインパクトを展望する。

1AS-02 11月27日(水)
9:00-11:15
ゲノムストレスと代謝異常 / Genome stress and Metabolic Aberrations
公募企画J
ゲノムストレスや代謝異常が引き起こす老化と病態
Aging and Pathology Induced by Genome Stress and Metabolic Aberrations
オーガナイザー
柴田 淳史(慶應義塾大学)、高橋 暁子(がん研究会)
詳 細

生物は多種多様なストレスに対して適切な細胞応答を行うことで生体の恒常性を維持している。特に、ゲノムや代謝において生じるストレス応答異常は老化やがんを引き起こすことから、その詳細な分子機構の解明は喫緊の課題である。本シンポジウムでは、がん、老化、DNA修復、免疫、代謝、エピゲノムなどの各分野をリードする研究者を集め、老化やがんを中心とした病態の克服に向けた議論を行う。

1AS-03 11月27日(水)
9:00-11:15
非細胞形態形成 / Morphogenesis by non-cellular materials
公募企画E
「非細胞素材」による形態形成のメカニズム
Mechanisms of morphogenesis by non-cellular materials
共催:学術変革領域研究(A) からだ工務店
オーガナイザー
大澤 志津江(名古屋大学)、船山 典子(京都大学)
詳 細

生物の形作りにおける基本的な構成要素は、従来細胞と捉えられてきた。しかし近年、生物の形を構築・維持するためには、骨など剛性の高いサポート素材、細胞外マトリクス(ECM)のダイナミックで秩序的な分解や分子特性なども重要であることに注目が集まっている。本シンポジウムでは、「非細胞性サポート素材が生物の形を作る」という新しい視点から独創的な研究を展開している研究者を迎え、形態形成の基本原理と今後の展望を議論する。

1AS-04 11月27日(水)
9:00-11:15
延長された表現型 / Extended phenotypes
公募企画J
異種生物同士の相互作用がもたらす「延長された表現型」研究の最前線
The interaction between different species and “Extended phenotypes"
オーガナイザー
丹羽 隆介(筑波大学)、勝間 進(東京大学)
詳 細

自然界では、ある生物の遺伝情報が、他種の生物の表現型として発現していると解釈される現象が、特に寄生や内部共生といった近接的な生物間相互作用において普遍的にみられる。このような現象は、Dawkins (1982) によって提唱された「延長された表現型」の典型例である。ところが、その具体的なメカニズムについてはほとんど理解が進んでいない。本シンポジウムは、近年の技術革新を援用して難航不落であった非モデル生物による「延長された表現型」の分子機構研究の最前線を紹介することを目的とする。

1AS-05 11月27日(水)
9:00-11:15
真核生物翻訳制御 / Eukaryotic mRNA translation control
公募企画J
生命現象を司る真核生物の翻訳制御
Eukaryotic mRNA translation control in biological process
オーガナイザー
山下 暁朗(琉球大学)、藤原 俊伸(近畿大学)
詳 細

様々な生命現象・疾患においてmRNA翻訳制御は大きな役割を果たしている。mRNAワクチンにもmRNA翻訳制御研究の成果がつぎ込まれている。本ワークショップでは、がん、炎症、ウイルス感染、神経変性疾患の新たな治療標的の発見に繋がるmRNA翻訳・分解・局在の制御機構を、高解像度Cryo-EM構造解析、トランスレートローム解析などの方法論を用いることで解明した、最新の研究成果を紹介する。

1AS-06 11月27日(水)
9:00-11:15
オルガネラQC / Organellar QC
公募企画J
オルガネラ・クオリティ・コントロール
Organellar Quality Control
オーガナイザー
森戸 大介(昭和大学)、森下 英晃(九州大学)
詳 細

真核細胞はオルガネラによって自らの内部を多彩な微小機能空間(あるいは平面)に分割し、多細胞化を含む複雑な機能化を実現している。オルガネラは機能的・形態的に多彩である一方、オルガネラ・コンタクトやオルガネラ・オートファジーに見られるように、緊密に連携し、また部分的には共通の機構で制御される。このような新しいオルガネラ観に立脚しながら、オルガネラの機能・形態維持の基盤となる品質管理システムについて議論してみたい。

1AS-07 11月27日(水)
9:00-11:15
Omicsと神経変性疾患 / Omics and neurodegenerative diseases
公募企画J
多様な”Omics”で神経変性疾患の多様な側面を語り合う
Discussing various aspects of neurodegenerative diseases in various "Omics"
オーガナイザー
森本 悟(慶應義塾大学)、矢吹 悌(熊本大学)
詳 細

DNA、RNA、タンパクに対する"Omics"のアプローチは様々に存在し、神経変性疾患病態へのアプローチにより多くの知見が蓄積されている。病態解明やバイオマーカー探索など、目的は多岐に渡るものの、多様な "Omics"により大局的な視点から、神経変性疾患の従来見えていなかった部分を炙り出すことに成功している。本シンポジウムでは、"Omics"を用いて神経変性疾患に挑む研究者による、ターゲット横断的な討論を行う。

1AS-08 11月27日(水)
9:00-11:15
Multicellularity in microbial collectives
公募企画E
Microbial multicellularity: biofilms, swarms, developmental and functional differentiation in microbial collectives
オーガナイザー
Martin ROBERT(京都大学)、納庄 一樹(東京大学)
詳 細

Living organisms do not live in isolation. Even unicellular microorganisms form assemblies displaying emergent properties. The study of microbial multicellularity in bacteria, yeast, or amoeba, among others, is undergoing a renaissance and recent findings suggest remarkable and unsuspected complexity in large collectives of microbial cells such as biofilms. In this symposium we would like to showcase the latest research advances aiming to decipher this complexity by integrating the molecular, cellular, and biophysical levels.

1AS-10 11月27日(水)
9:00-11:15
線維芽細胞生物学 / Fibroblast Biology
公募企画E
線維芽細胞から科学する微小環境バイオロジー
Unveiling Microenvironment Science: Recurrent Fibroblast Biology
オーガナイザー
仁科 隆史(東邦大学)、倉島 洋介(千葉大学)
詳 細

多種多様な細胞により構成される臓器において、形態形成を担い生体内に普遍的に存在する「線維芽細胞」は、形態形成だけではなく、免疫調節、上皮機能制御、組織修復と変遷、組織の動的制御と非常に多様で且つ重要な役割を持つことが紐解かれつつある。本シンポジウムでは、近年明らかとなってきた生体での微小環境バイオロジーを牽引する研究者を迎え、線維芽細胞の多面的な役割について最新の知見についての情報を共有したい。

1AS-11 11月27日(水)
9:00-11:15
DNA損傷と生命 / DNA damage and life
公募企画J
新時代マルチオミクス生命科学によるDNAライフサイクルの理解
Next generation multi-omics life science for understanding DNA life cycle
オーガナイザー
野村 征太郎(東京大学)、油谷 浩幸(東京大学)
詳 細

生命は生涯、細胞に内在するゲノムDNAを使って遺伝子プログラムを回している。ゲノムDNAは常に様々な内的・外的ストレスにさらされて損傷し、それを修復しながら細胞の機能を維持している。しかしながら、過度なDNA損傷は細胞死を引き起こすばかりか、損傷を修復しても細胞老化を惹起したり、致命的なゲノム変異からがん化を生じたりする。本シンポジウムでは、個体の発生や疾患の共通の分子機序であるDNA損傷に焦点を当て、ロングリード/次世代シーケンサー・シングルセル解析・空間的解析・最新イメージング技術・ゲノム編集など、最先端の技術を駆使した新時代マルチオミクス研究に基づいて、生命現象におけるDNAライフサイクルの理解を深め、その意義について議論したい。

1AS-12 11月27日(水)
9:00-11:15
ゲノム完全性 / DNA replication and genome integrity
公募企画E
ゲノム情報の複製と安定維持機構
Genome replication and stable maintenance of genomic information
オーガナイザー
野口 泰徳(九州大学)、正井 久雄(東京都医学総合研究所)
詳 細

生命の設計図であるゲノム DNAは、複製、修復、組換え、染色体構造などによって安定に維持される。これら機構の異常は、突然変異やゲノムの不安定化を引き起こし、がん、老化、遺伝病などの原因となる。近年、ゲノム安定性維持に機能するさまざまな分子機構が明らかとなりつつある。本シンポジウムでは、なぜ細胞はゲノムを正確に倍加し、維持できるのかについて最新の知見をもとに議論する。

1AS-13 11月27日(水)
9:00-11:15
多核細胞 / Multinuclear cells
公募企画J
多核細胞が織り成す生命現象
Biology of multinuclear cells
オーガナイザー
井上 梓(理化学研究所)、原口 徳子(大阪大学)
詳 細

教科書的な真核細胞の核は一つである。しかし、繊毛虫の大小核、肝細胞や筋細胞の多核、受精卵の雌雄前核、ガン細胞の微小核など、複数の核を有する細胞は意外にも多く存在する。なぜこのような細胞では複数の核が同時に存在するのか?これは核の機能制御やリプログラミング機構とも関わる重要な問いである。本ワークショップでは、多核細胞を扱う研究者が抱えるユニークな生物学的問題を紹介し、核・クロマチン機能制御について議論する。

1AS-14 11月27日(水)
9:00-11:15
異種細胞相互作用 / Interactions of distinct cells
公募企画J
異種細胞同士の相互作用から迫る生命現象の理解
Orchestration of distinct cells in development, homeostasis and diseases
オーガナイザー
榎本 将人(京都大学)、山川 智子(茨城工業高等専門学校)
詳 細

多細胞生物の組織発生や恒常性維持には、異なる細胞系譜をもつ細胞の時空間的な相互作用が重要である。近年の1細胞解析やゲノム編集技術の急速な発展によって、形態形成、組織修復、がん、老化といった多彩な生命現象を司る異種細胞間の相互作用の実体が分かりつつある。本シンポジウムでは、異種細胞同士の相互作用の視点から見えてきた多細胞生物の発生、恒常性維持やその破綻による疾患発症の最新の知見について発表・議論する。

1AS-15 11月27日(水)
9:00-11:15
代謝と細胞機能 / Balancing metabolism and cellular functions
公募企画J
代謝と細胞機能のバランス:老化から疾患への生物の垣根を超えた視点
Balancing metabolism and cellular functions: A cross-biological perspective from aging to diseases
オーガナイザー
宮戸 健二(国立成育医療研究センター)、林 良樹(九州大学)
詳 細

あらゆる生物は、代謝によって生命機能が調節されている。代謝機能の低下は、細胞から個体レベルでの老化を加速させ、様々な疾患発症の原因となる。一方、生物は共生細菌と共存関係にあり、時として細菌代謝産物は宿主の生体機能に必須な役割を果たす。本シンポジウムでは、物質代謝が生命機能の維持に与える影響を、生殖、組織の発生や維持、老化、疾患発症の分子メカニズムから探り、共生細菌が宿主の代謝に与える影響についても議論する。さらに、動物・植物といった生物種の垣根を超えた物質代謝の重要性について最新の知見を報告する。

1AS-16 11月27日(水)
9:00-11:15
動植物ゲノミクス / Plant and Animal Genomics
公募企画J
動物・植物のゲノミクスが拓く生命科学の未来
Where is plant and animal genomics going next?
オーガナイザー
大森 義裕(長浜バイオ大学)、南川 舞(千葉大学)
詳 細

近年、ゲノム解析技術の発展によって、進化生物学や農学の分野で革新的な研究の進展がもたらされている。これらは動物や植物の別なく、共通の解析法を駆使して行われ海外では、Plant & Animal Genomeの名のもとに企画された学会が賑わいを見せているが、国内においては、依然、動物・植物の研究者の隔たりが大きい。本セッションでは、この状況を打破すべく、動物と植物のGWASに関連する先鋭若手研究者に集まっていただき共通した問題解決手法について議論を深めたい。

1AS-17 11月27日(水)
9:00-11:15
転移因子コード / The TE code
公募企画J
転移因子コードが誘導する核内3次元構造形成メカニズムの理解
Higher order genome regulation and function mediated by the transposable element code (TEC)
オーガナイザー
日比野 絵美(名古屋大学)、一柳 健司(名古屋大学)
詳 細

SINEやLINEなどの転移因子 (トランスポゾン) はゲノムDNAの多くの部分を占める。SINEとLINEはゲノム内に不均一に分布し、しかも相互排他的である。近年の研究からSINEがCTCFなどの核内3次元構造を制御する因子をリクルートすることや、LINE RNAが核内での液-液相分離を介してヘテロクロマチンを構築することが示された。本シンポジウムでは、SINEやLINEが結合タンパク質と協奏することで核内3次元構造を制御するという分子コード(転移因子コード:TEC)という概念を提唱し、転移因子や核内3次元構造に関連する幅広い最新の研究から議論したい。

1PS-01 11月27日(水)
16:45-19:00
老化とがんの異常 / Abnormalities in aging and cancer
公募企画J
形の異常から捉える老化とがん
Understanding aging and cancer based on abnormalities in “shape"
オーガナイザー
川内 敬子(甲南大学)、島田 緑(名古屋大学 )
詳 細

健康のまま寿命を全うすることは、人類が望む最大のテーマである。老化やがんのメカニズムの解明は重要なカギを握っており、分子・細胞レベルから個体レベルに至るまで膨大な研究がなされてきた。本シンポジウムでは、老化やがんで引き起こる生体分子や細胞内構造体などの “形の異常”、またその“形の異常”を標的とした治療法について、生物学・化学・計算科学など様々な分野における最新の研究を共有することで、新しい医療展開について議論したい。

1PS-02 11月27日(水)
16:45-19:00
多細胞休止 / Multicellular Dormancy
公募企画J
フィロスタシス:多細胞の休止プログラム
Philostasis: dormancy program in multicellular organisms
共催:科研費学術変革(B)「フィロスタシス」
オーガナイザー
中西 未央(千葉大学)、岡村 永一(滋賀医科大学)
詳 細

多細胞組織の活動休止現象は、多様な生物種や組織において観察される。たとえば胚全体または特定の細胞で発生プロセスを中断する発生休止は哺乳類・昆虫・植物などで報告されている。また成体における組織幹細胞はしばしば活動休止状態で維持され、それが生涯にわたる機能保持に必須であることが示されている。従来これらの現象は低栄養や低酸素といった環境受容の結果であると認識されてきた。これに対して本シンポジウムでは、緻密な多細胞間相互作用に基づく能動的な活動休止(フィロスタシス:Philostasis)に着目し、その制御プログラム解明に挑む最先端の研究を紹介する。

1PS-03 11月27日(水)
16:45-19:00
非古典的制御経路 / Non-canonical biological regulatory pathways
公募企画J
Non-canonicalな生物学的経路の発見とその未来
Discovering non-canonical biological regulatory pathways and beyond
オーガナイザー
星居 孝之(千葉大学)、井上 大地(神戸医療産業都市推進機構)
詳 細

進化的に高度に保存された分子機構や蛋白構造は細胞の恒常性維持や生存に必須であり、Canonicalな機能・モデルが解かれてきた。近年、様々な生命現象においてNon-canonicalな複合体・経路・機能についての報告が相次いでいる。本領域では、ビタミン、クロマチン、転写、DNA修復、細胞死など古くて新しい分野で非標準的な分子機序や蛋白機能について議論し、既成概念に囚われない研究の創出を促進する。

1PS-04 11月27日(水)
16:45-19:00
生体内流動 / Frontier Research on Biological Flow
公募企画E
流動研究の最前線-物理学と生物学の融合
Frontier Research on Biological Flow – Integration of Physics and Biology
オーガナイザー
山城 佐和子(京都大学)、加藤 孝信(東京大学)
詳 細

生体内流動は、細胞内(細胞質流動)から多細胞間(血流など)に存在し、細胞機能や組織発生に影響を与える重要な因子である。近年、高精度定量イメージングや流動シグナルの人為的コントロール等の解析技術の発展により流動力が担う新たな役割が明らかになってきた。本シンポジウムでは、生物物理学・細胞生物学・発生生物学の視点から、これら革新的技術が切り開く最新の研究成果を紹介し、今後の流動研究の発展について議論したい。

1PS-05 11月27日(水)
16:45-19:00
間質リテラシ― / Interstitial literacy
公募企画J
間質の細胞多様性に基づく疾患メカニズムの統合的理解
Integrated understanding of disease pathogenesis based on interstitial cell diversity.
共催:学術変革領域研究B、 間質リテラシ―
オーガナイザー
佐藤 荘(東京科学大学)、内藤 尚道(金沢大学)
詳 細

病気の発症や進行過程の中で、これまでは臓器の実質の研究が盛んになされてきた。一方、従来「間質」は様々な原因に由来する病態が生じる「場所」を示していることが多く、個々の臓器や疾患における間質応答の特異性は全くと言ってよいほど理解が進んでいない。しかし近年、間質に存在する細胞の研究の必然性は認識され始めている。そこで本シンポジウムでは間質を様々な角度から掘り下げ、その意味を再定義することを目標とする。

1PS-06 11月27日(水)
16:45-19:00
ゲノム疾患治療 / Genomic Approach for Disease Treatment
公募企画J
疾患治療を目指したゲノム代謝研究の最前線
The Cutting Edge in Genome Metabolism Research: Advancing Disease Treatment
協賛:日本医療研究開発機構 ゲノム情報に基づくN-of-1+創薬研究
オーガナイザー
荻 朋男(名古屋大学)、中田 慎一郎(大阪大学)
詳 細

このシンポジウムでは、核酸代謝・DNA修復・転写・蛋白質合成をはじめとするゲノムに関わる分子機構に人工的に介入し、疾患を治療するための革新的なアプローチについて議論します。現在、遺伝子編集技術や人工核酸による遺伝子発現制御の実用化が期待されています。これらの技術を独自の視点から発展させる、あるいは全く新しい治療手法を開発するための基盤的な基礎研究を紹介します。これらの研究に基づく新規手法により、がんや遺伝性疾患など、従来は治療が困難だった疾患に対する新しい治療法開発の可能性を模索します。

1PS-07 11月27日(水)
16:45-19:00
超時間生物 / Transcending timescale barrier in biology
公募企画J
超時間的研究アプローチによる生命科学の新展開
Opportunities for new discoveries by challenging the limits of temporal scale in biology
オーガナイザー
坂井 貴臣(東京都立大学)、佐原 成彦(量子科学技術研究開発機構)
詳 細

生命現象はミリ秒から年のオーダーにわたる広範な時間スケールを有している。ある生命現象の特定のタイムフレームでの経時変化を測定する研究は数多く存在するが、生命現象のプロセスのごく一部を計測しているにすぎないため生命現象の全体像を捉えきれていないのが現実である。本シンポジウムでは、従来のタイムフレームを超えて生命現象のプロセスを切れ目なく理解することで、新しい生命現象の発見につなげる研究を紹介する。

1PS-08 11月27日(水)
16:45-19:00
エピゲノム動態 / Epigenome dynamics
公募企画J
細胞運命決定におけるエピゲノム動態
Epigenome dynamics in cell fate determination
オーガナイザー
椙下 紘貴(東京大学)、伊藤 伸介(理化学研究所)
詳 細

発生過程では数千個に及ぶ発生関連遺伝子の発現が時空間的に制御されている。特定の系譜に分化するには系譜決定に関わる遺伝子の発現を適切にONやOFFにする必要がありエピゲノムによる制御が巧妙に行われる。しかしどのようにそのような遺伝子制御を行われるのかは明らかでない。本シンポジウムでは発生や分化に関わる重要な遺伝子のエピゲノムがどのように確立・維持されるのかに注目し、最新の知見を紹介し議論する。

1PS-10 11月27日(水)
16:45-19:00
ストレス応答と翻訳品質管理 / Stress response and translation quality controls
公募企画E
異常翻訳に起因するストレス応答と品質管理による解消の分子機構と生理機能
Molecular mechanisms and physiological functions of stress response caused by abnormal translation and resolution by quality control.
オーガナイザー
稲田 利文(東京大学)、Roland Beckmann(University of Munich)
詳 細

タンパク質合成中のリボソームの停止と衝突は、遺伝子産物の機能における重大な欠陥を示しているため、複数の品質管理メカニズムによって排除される。 衝突するリボソームを認識する翻訳品質管理RQCの分子機構と生理機能の理解は急速に進んでおり、その生理機能の解析も進んでいる。 衝突リボソームは、ZAKa 媒介リボ毒性ストレス応答 (RSR) と GCN2 媒介統合ストレス応答 (ISR) という 2 つのストレス応答も活性化し、翻訳制御と細胞死につながる。 さらに、リボソームの品質管理とリボソーム分解の基礎となるメカニズムが明らかになっている。 本シンポジウムでは、翻訳異常やリボソームの衝突・停止によるストレス応答の分子機構と生理機能を認識する品質管理に関する最新の知見を紹介する。

1PS-11 11月27日(水)
16:45-19:00
大規模エピゲノム / Large-scale epigenomics
公募企画E
大規模エピゲノム情報解析で挑むゲノム制御機構の網羅的解明
Large-scale computational epigenomics for the elucidation of genomic regulatory mechanisms
オーガナイザー
中戸 隆一郎(東京大学)、Guillaume Bourque(McGill Genome Center)
詳 細

次世代シーケンサを用いたエピゲノム解析分野の発展は著しい。例えば国際ヒトエピゲノムコンソーシアム(IHEC)では2500を超えるヒト細胞種のエピゲノムを収集したEpiAtlasデータベースを構築し、多面的な統合解析を展開している。また、反復配列を含めた非コードゲノム機能領域の網羅的解析、生物種を超えた制御機構などにも注目が集まっている。本シンポジウムでは生命科学・情報学分野でそのような大規模解析に取り組む研究者を招き、多様な解析事例を紹介したい。

1PS-12 11月27日(水)
16:45-19:00
DNA維持戦略 / Nuclear and mitochondrial DNA maintenance
公募企画E
核とミトコンドリアのDNA維持戦略の分子基盤
Molecular basis of the nuclear and mitochondrial DNA maintenance
オーガナイザー
加生 和寿(九州大学)、塩谷 文章(国立がん研究センター研究所)
詳 細

核とミトコンドリアに存在するゲノムDNAは正確に複製される必要がある。一方で、内的・外的ストレスにより複製フォークの進行が阻害されるとゲノム不安定性に起因する種々の疾病やがん化が誘発される。本シンポジウムでは、DNA複製や損傷トレランスに重要として近年注目を浴びているPrimPolなどの因子に焦点を当て、多彩なDNA維持・損傷応答の分子基盤、さらにがんや疾患治療における戦略など幅広く議論したい。

1PS-13 11月27日(水)
16:45-19:00
ゆらぐ免疫代謝 / Fluctuating ImmunoMetabolism
公募企画J
ゆらぎから科学する免疫代謝システムの時空間相互作用の解明
Spatio-temporal crosstalk of immune-metabolic systems
オーガナイザー
遠藤 裕介(かずさDNA研究所)、柳川 享世(東海大学)
詳 細

最近の知見より、その不均一性や複数の階層を跨ぐ担い手としての性質から、『代謝のゆらぎ』こそが免疫システムを支える重要因子であることが示されてきた。本シンポジウムでは、免疫-代謝領域において先駆的研究を進めている演者を招き、疾患や生体防御応答における免疫-代謝システムの時空間相互作用について、最新の話題を提供する。また、代謝と免疫の本質的な接点を理解し、「代謝で免疫を制御する」ことを目指した研究に関する将来展望について深く議論したい。

1PS-14 11月27日(水)
16:45-19:00
孤独脳と社会脳 / Lessons from the Social Brain
公募企画E
孤独と連帯の分子神経生物学
Molecular Neurobiology of Social Behavior: from animal model to human life
オーガナイザー
佐藤 耕世(情報通信研究機構)、黒田 公美(東京科学大学)
詳 細

社会性動物にとって、他個体との関係の構築は、餌の探索や生存、繁殖など様々な場面で重用であり、社会的な孤立は個体の生命活動に悪影響を与える。近年、さまざまな動物を用いた研究によって、社会環境やその剥奪がどのように脳に作用し、行動・心理特性の変容をもたらすのかについて、理解が大きく進展している。このシンポジウムでは最新の知見をもとに、動物種間の類似性や差異について議論し、社会性の生物学的基盤の理解の深化を図る。

1PS-15 11月27日(水)
16:45-19:00
アカデミア創薬 / Academic Drug Development Conference 2024
公募企画J
アカデミア創薬会議2024
Academic Drug Development Conference 2024
オーガナイザー
池田 幸樹(京都大学)、加藤 晃代(名古屋大学)
詳 細

アカデミア創薬におけるアカデミア側の知財は薬剤そのものとは限らない。独自の創薬標的やノウハウ、POC (Proof Of Concept)にこそ企業は価値を見出している。一方でアカデミアはこれらの知財について頓着が薄く、特許については論文化前の“お作法”と成り下がってしまっている。これではいくら待ってもオープンイノべーションは育たず、アカデミア創薬は今まさに転換期を迎える必要がある。 本シンポジウムではアカデミア創薬の発展に資するために、創薬そのものとは違う視点"創薬応用を目指した先進的技術"について、企業や大学の垣根なく深く議論したい。そこで本会ではアカデミア創薬を推進する新進気鋭の演者に登壇して頂き、最新の技術や研究内容を通してアカデミア創薬における相互互助体制構築の礎となるよう努める。

1PS-16 11月27日(水)
16:45-19:00
NEXT微生物 / NEXT Microbiology
公募企画E
微生物ゲノム研究から洞察する細胞複製システムの多様性と共通性
Frontiers in microbial genome researches provide a fundamental insight into conserved and diverse nature of cell duplication systems.
オーガナイザー
尾崎 省吾(九州大学)、渡辺 智(東京農業大学)
詳 細

セントラルドグマの司令塔であるゲノムは、塩基組成、遺伝子の数・位置・配向性、DNA高次構造、細胞内配置等、生物ごとに異なる特徴を有しており、それを反映するかのように細胞複製システムもまた種ごとに異なっているように見える。しかし、その実態を構成的に理解すれば、多様性の中にある共通原理が見えてくる。本シンポジウムでは、充実したゲノムデータベースを誇る微生物の細胞複製を駆動する分子機構に焦点を当て、種間比較を交えながら、細胞複製システムの共通原理を議論する。

1PS-17 11月27日(水)
16:45-19:00
マルチモダル電顕 / Multimodal EM-imaging
公募企画J
マルチモーダル電顕オルガネラ・イメージング
Multimodal Electron Microscope Organelle Imaging
オーガナイザー
谷田 以誠(順天堂大学)、甲賀 大輔(旭川医科大学)
詳 細

電子顕微鏡技術やCLEM法の発展に伴い、近年の超微形態解析技法の革新は目をみはるものがある。特にVolume EMイメージングは次世代の技術として世界的に注目されている。本シンポジウムでは、超微形態イメージングに関わる種々の最新技術、高精度CLEM法のための技術革新などを通して、広い生物種にわたる超微形態解析による精緻なる世界をトピックスとして、今後の電顕オルガネラ・イメージングのマルチモダリティについて議論する。

2AS-01 11月28日(木)
9:00-11:15
創る神経生物学 / Creative neurobiology
公募企画J
『創る生物学』を通して拓く神経科学・神経発生学
Opening up next generation of neuroscience and neurodevelopmental research through “creative biology".
オーガナイザー
坂口 秀哉(理化学研究所)、有岡 祐子(名古屋大学)
詳 細

ヒト多能性幹細胞を用いた分化誘導研究の進捗によって「創る生物学」が可能となった。特に、これまで計測困難であったヒト神経組織やその機能へのアプローチが可能となったことは、これまでベールに包まれていたヒト神経組織・機能の理解が進むと期待される。本シンポジウムでは、発生学の知見をもと生まれた神経組織を創る研究の歴史を改めて学ぶと同時に、「創る」神経生物学の未来、および関連する倫理問題について議論する。

2AS-02 11月28日(木)
9:00-11:15
バイオDX / BioDX
公募企画J
バイオDXによるゲノムエンジニアリング
Genome Engineering with BioDX
共催:JST COI-NEXT バイオDX産学共創拠点
オーガナイザー
中前 和恭(広島大学)、坊農 秀雅(広島大学)
詳 細

生命科学におけるDigital Transformation (DX)、バイオDXによりビッグデータの利活用やオートメーション化が進みつつある。さらにゲノムエンジニアリングやロングリードシーケンシングの興隆も加わり、分子生物学が変革しつつあるが、その知識共有は十分でない。そこで、本シンポジウムでは先駆者によるバイオDX研究の情報交換の場としたい。議論を通じ、バイオDXの活用知識の醸成を目標とする。

2AS-03 11月28日(木)
9:00-11:15
全能性エピゲノム / Totipotency epigenetics
公募企画J
全能性細胞におけるエピジェネティック制御機構
Epigenetic regulatory mechanisms in totipotent cells
オーガナイザー
石津 大嗣(慶應義塾大学)、小林(石原) 美栄(慶應義塾大学)
詳 細

受精によって形成される接合子は全ての種類の細胞に分化し、個体へと成長することができる全能性をもつ。しかし、受精卵がどのようにして全能性を獲得するのか、そのリプログラミング過程については不明な点が多い。本シンポジウムでは、全能性細胞の特徴を規定するエピゲノムの制御機構について最新の知見を共有し、全能性獲得の背景に潜むエピゲノム制御ネットワークの解明に向けた課題を議論する。

2AS-04 11月28日(木)
9:00-11:15
RNA制御応答 / RNA Regulation in Stress Responses
公募企画E
ストレス応答におけるRNA制御の分子基盤
Molecular Mechanisms of RNA and Its Regulatory Machinery in Stress Responses
オーガナイザー
鈴木 亨(東京大学)、中村 能久(シンシナティ小児病院)
詳 細

真核生物細胞は、細胞内・外のストレスに対応して恒常性を維持するための分子機構を有し、RNAはその核心を担うことが明らかになってきている。本シンポジウムでは、mRNA翻訳やRNA修飾、さらには細胞外RNAによる細胞間コミュニケーションなど、様々な局面におけるRNAを基点としたストレス応答と細胞恒常性の制御について、細胞から個体レベルまでの最新研究成果を幅広く紹介する。

2AS-05 11月28日(木)
9:00-11:15
組織化制御と再生 / Machineries regulating tissue organization/regeneration
公募企画J
組織構築を制御する新たな分子マシナリーの解明と組織再生への展開
Elucidation of molecular machineries regulating tissue organization and their application to tissue regeneration.
オーガナイザー
山中 智行(新潟大学)、大塚 尭慶(新潟大学)
詳 細

生体内の組織形成に関わる分子を同定することは、組織構築を制御する分子システムの解明につながるだけではなく、これを活用した組織修復・再生への大きな足がかりとなりうる。本シンポジウムでは、神経、筋、上皮など様々な組織を対象に、組織構築を制御する新規分子マシナリーの同定といった基礎的研究から、これを基盤として組織修復・再生へと展開する応用的研究まで幅広く紹介し、組織構築・再生研究の将来展望について議論したい。

2AS-06 11月28日(木)
9:00-11:15
多細胞システム / Multicellular Systems
公募企画J
多細胞システムのかたち・パターン・ダイナミクスを生み出す仕組み
Decoding Multicellular Systems: The Emergence of Shape, Pattern, and Dynamics
共催:JSTさきがけ「多細胞」
オーガナイザー
平島 剛志(シンガポール国立大学)、戸田 聡(金沢大学)
詳 細

細胞は、集団となることで生命活動に重要なかたち、パターンやダイナミクスを生み出す。その背後に潜む仕組みの理解には、多種細胞を時空間的に識別・操作し、動態や相互作用を解析する技術開発や、それらの技術を活用し、動植物問わず様々なモデルシステムで生命システムを探求することが不可欠である。本シンポジウムでは、異なる分野で活躍する若手研究者を招き、多細胞システムを通じた生命現象の統一的理解に向けた研究を分野横断的に議論する。

2AS-07 11月28日(木)
9:00-11:15
多層的オルガネラ / Organelle Homeostasis Across Scales
公募企画J
先端技術が拓くオルガネラ恒常性の多階層的理解
Integrating Cutting-Edge Approaches to Decipher Organelle Homeostasis Across Biological Scales
オーガナイザー
栗川 義峻(東京大学)、青山 幸恵子(東京大学)
詳 細

真核細胞の機能単位であるオルガネラは、その恒常性維持と正常な機能発現が細胞のみならず個体の生命維持に至るまで非常に重要である。本シンポジウムでは、先端技術を駆使してオルガネラ恒常性維持機構の解明に挑む研究者が集う。分子レベルから細胞・組織・個体まで様々な階層でのアプローチを紹介しながら、オルガネラ機能の制御が生体恒常性にどう関わるのか議論し、オルガネラ研究の最前線に迫る。

2AS-08 11月28日(木)
9:00-11:15
人冗長性健康基盤 / Redundant human health bases
公募企画J
立位で行動進化した人の「冗長性」適応分子細胞基盤からの『健康長寿戦略』
'Health and Longevity Strategies' from the 'Redundancy' Adaptive Molecular Cellular Basis of Human Behavioral Evolution in a Standing Position."
オーガナイザー
跡見 順子(帝京大学先端総合研究機構)、清水 美穂(帝京大学先端総合研究機構)
詳 細

人も生命の単位は細胞で細胞内外の (ストレス)に適応進化してきた。人間は、立位を常態とした不安定だが自由な身体の動きを手に入れた唯一長距離を走れる種として進化したが、細胞—身体をつなぐ細胞分子科学研究領域はまだない。本シンポジウムは、遅筋・ベージュ脂肪・グリア細胞などの冗長性対応の典型例を紹介しながら,長寿社会を生きるための身体のメカノフィジカル応答機序及び熱産生機序等の多様な角度からの健康戦略を提起する。

2AS-10 11月28日(木)
9:00-11:15
パンデミック / Preparation for the next pandemic
公募企画E
「次のパンデミック」に備えるための学際ウイルス学研究
Interdisciplinary virology to prepare for the next pandemic
協賛:国際先導研究「ポストコロナ時代を見据えた学際ウイルス学研究の推進」
オーガナイザー
佐藤 佳(東京大学)、橋口 隆生(京都大学)
詳 細

新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)は、ウイルス感染症の脅威を白日のもとに晒した。しかし、WHOやCDCが勧告するように、COVID-19は人類史における最後のパンデミックではない。「次のパンデミック」という新たな感染症リスクに備えるための研究は、基礎学術の観点のみならず、安寧な社会生活を維持するためにも必須である。本シンポジウムでは、「次のパンデミック」に備えるために必要な、学際的かつ先端的なウイルス研究について議論したい。

2AS-11 11月28日(木)
9:00-11:15
高次ゲノム構造 / Genome structure and gene regulation
公募企画E
高次ゲノム構造を介した遺伝子発現の動的制御
The dynamic interplay between three-dimensional chromosome structure and gene regulation
オーガナイザー
Kristian Jeppson(東京大学)、深谷 雄志(東京大学)
詳 細

個体発生では、三次元的なゲノム構造の形成を介して、遺伝子発現の時間的・空間的な特異性が緻密に制御されている。しかし、その基本的な動作原理はほとんど理解されていない。本シンポジウムでは最先端のゲノム解析、ライブイメージング解析、1分子解析などから得られた最新の知見について紹介し、新たなゲノム機能・遺伝子発現制御機構の全体像について議論する。

2AS-12 11月28日(木)
9:00-11:15
腸内デザイン / Gut Design
公募企画E
全ライフステージの腸内を丸ごとデザイン
Designing the gut ecosystem targeting all life stages
オーガナイザー
佐々木 伸雄(群馬大学)、福田 真嗣(慶應義塾大学)
詳 細

全てのライフステージにおいて,腸内細菌叢がヒトの健康状態や様々な疾患と関連することはもはや疑う余地がない.今後の腸内細菌叢研究においては,疾患発症を司る個々の細菌の機能を知ることが重要である.本シンポジウムでは,小児から高齢者までを網羅した幅広い年代において,オリジナリティの高い手法により,腸内細菌と疾患との因果性を分子レベルで紐解く気鋭の研究者に発表いただき,腸内デザインによる次世代の創薬技術の開発について議論したい.

2AS-13 11月28日(木)
9:00-11:15
疾患 老化 幹細胞 オミクス / Disease aging stem cells omics
公募企画E
分子生物学で理解する疾患と老化のメカニズム
Understanding the mechanisms of disease and aging through molecular biology
オーガナイザー
笹井 紀明(奈良先端科学技術大学院大学)、池谷 真(京都大学)
詳 細

近年、疾患モデル動物の利用、遺伝子変異幹細胞を使った病体再現系やオルガノイド作製、長期培養、シングルセル発現解析をはじめとするオミクスやメタボロームなど、多様で新しい方法により疾患や老化がおきる原因を分子レベルで理解し、再現することが可能になった。本シンポジウムでは、さまざまなアプローチを使って個体が疾患や老化状態に陥るメカニズムを明らかにし、その予防・検出・治療法を提案した研究を紹介する。

2AS-14 11月28日(木)
9:00-11:15
マルっと生物学 / Ma-ru-tto Biology
公募企画J
「マルチスケール4D生物学」創成への挑戦:4Dイメージングによる高次生命現象の解明
Challenge to create a Multi-scale 4D Biology
共催:学術変革領域研究 (B) マルっと生物学
オーガナイザー
杉 拓磨(広島大学)、佐藤 亜希子(東北大学)
詳 細

生きた状態で3D動態をリアルタイム撮像する技術(4Dイメージング技術)が向上すれば、複雑な生命現象がより紐解かれるであろう。老化もその一つであり、様々な生物学的レベルにおける加齢変化を時間軸上で詳細に捉えることで老化機構の更なる理解に繋がることが期待される。本シンポジウムでは、最新の高分解能ライトフィールド顕微鏡を中心とした4Dイメージング技術や近年のマルチスケールな生物学的発見について紹介する。

2AS-15 11月28日(木)
9:00-11:15
神経突起障害 / Toward understanding of neurite abnormalities
公募企画J
神経突起障害・再生の分子機構の理解に向けて
Toward understanding of molecular mechanisms in injury and regeneration of neurites
オーガナイザー
大野 伸彦(自治医科大学)、荒木 敏之(国立精神・神経医療研究センター)
詳 細

神経突起は神経系の情報処理に重要な役割を果たし、その異常は神経疾患の病態生理に深く関与している。近年、細胞小器官、細胞外マトリックス、細胞間相互作用などを介した神経突起の障害や再生を制御する分子メカニズムが急速に解明され、疾患治療法開発に繋がる知見も得られつつある。本シンポジウムでは、若手からシニアまでの研究者による最新のアプローチを駆使した最先端の研究知見を共有・議論し、多様な分野の学会員の研究の発展に貢献することを目的とする。

2AS-16 11月28日(木)
9:00-11:15
ゲノム刷り込み / Genomic imprinting
公募企画J
ゲノム刷り込み機構の再定義と実例:エピゲノム制御機構の進化とコンフリクト仮説
Genomic imprinting redefinition and associated examples: Evolution of the epigenomic regulation system and conflict theory
オーガナイザー
小林 久人(奈良県立医科大学)、和田 七夕子(奈良先端科学技術大学院大学)
詳 細

2024年は、マウス核移植実験による”哺乳動物のゲノム刷り込み機構”の発見より40年目を迎える節目の年である。本シンポジウムでは、哺乳動物、昆虫、植物など多様な生物における最前線のゲノム刷り込み研究の知見を紹介する。種分化におけるゲノム刷り込み機構の多様化と生物種の進化に対する貢献、コンフリクト仮説の検証、今後の研究展望についても議論したい。

2AS-17 11月28日(木)
9:00-11:15
間質から生じる生体反応機構 / Pathophysiological role from stromal cells
公募企画J
間質細胞から生じる生理・病理的機能の解明に向けて
Toward the elucidation of physiological and pathological functions arising from stromal cells
共催:JSTさきがけ「加齢による生体変容の基盤的な理解」
オーガナイザー
辰川 英樹(名古屋大学)、上住 聡芳(九州大学)
詳 細

間質細胞は、私たちの体内の多くの組織や臓器に存在し、その機能や特性によって多様な生理・病理的機能を発揮し、人体の健康と疾患の進行において重要な役割を果たしている。本シンポジウムは、実質細胞に比べてこれまであまり注目されてこなかった間質領域の細胞に焦点を当て、ECMやメカノトランスダクション、加齢変容を起点とした生理・病理的機能に関わる最新の研究を紹介いただき、議論を交わすことを目的とする。

2PS-02 11月28日(木)
16:45-19:00
多階層生命動態 / Multiscale Biological Dynamics
公募企画J
最新オミクス計測・解析から紐解くマルチスケール生命動態
Comprehensive Insights into Biological Dynamics: A Multiscale Omics Approach
オーガナイザー
島村 徹平(東京科学大学)、大澤 毅(東京大学)
詳 細

がんや生活習慣病、感染症の進行には、分子、オルガネラ、細胞、組織、個体といった多様なスケールでのシステム動態が複雑に絡み合っているが、これらの階層間で交わされる生命情報の詳細は未だ解明されていない。近年、計測技術の革新と、広範なデータを処理・解析する深層学習やデータ科学との連携により、ライフサイエンスの分野ではこれらのマルチスケールで起きる生命現象を解き明かすための基盤が築かれつつある。本シンポジウムでは、新進気鋭の若手研究者が集まり、高深度オミクス、超解像イメージング、超多検体オミクス、深層学習やデータ科学などの最先端技術を駆使して、生命科学の核心に迫る多階層生命動態の世界を紹介するとともに、若手研究者の新規参入のきっかけを提供する。

2PS-03 11月28日(木)
16:45-19:00
種内多様性の探索 / Molecular basis of intraspecies diversity
公募企画E
種内多様性の分子基盤や成立過程の解明に向けて
How to approach the molecular basis and evolutionary history of intraspecies diversity
オーガナイザー
Jeffrey Fawcett(理化学研究所)、佐々木 江理子(九州大学)
詳 細

種内に見られる形質の多様性の分子基盤や成立過程の解明は、種レベルでの多様性や進化を理解する上でも不可欠である。その一方で、近年の大規模なゲノムや表現型解析技術の向上にもかかわらず、ゲノムー表現型のつながりは未だほとんど明らかになっていない。本シンポジウムでは、これらの解明に向けた様々な生物種や手法を用いた研究事例を紹介し、今後の展望について議論する。

2PS-04 11月28日(木)
16:45-19:00
細胞運動力学 / Mechanics in cell motility
公募企画E
細胞運動・形態形成を司るメカニクス研究の最前線
Mechanics in cell motility and morphogenesis
共催:力が制御する生体秩序の創発
オーガナイザー
西村 有香子(北海道大学)、柴田 達夫(理化学研究所)
詳 細

細胞は周囲環境に応じて必要な場所に移動し再配置することにより、生体組織を形作る。この細胞運動プロセスには、主に細胞骨格を基盤とした形態形成の時空間的制御が必要とされるが、その仕組みには未解明の問題が多く残されている。本シンポジウムでは細胞形態のダイナミックな変化を司る、細胞メカニクス研究の最前線を紹介する。特に、シグナルと力学の相互作用を理解するための新しいアプローチについて議論したい。

2PS-05 11月28日(木)
16:45-19:00
神経難病とRNA / Neurodegenerative diseases and RNA
公募企画J
神経変性疾患の発症機構とRNA結合タンパク質‐神経難病の分子病理学的な解析と治療法へのアプローチ
Neurodegenerative disease and its onset mechanism via RNA-binding proteins-Molecular pathology and therapeutics against incurable neurodegenerative disease like amyotrophic lateral sclerosis (ALS)-
オーガナイザー
黒川 理樹(埼玉医科大学)、片平 正人(京都大学)
詳 細

最近、神経細胞内でのRNA結合タンパク質(RBP)の沈殿形成により惹起されるALSなどの神経変性疾患が注目されている。この沈殿形成にはRBPの相分離が介在することから、これを抑制するRNAが核酸医薬のシードとして期待される。実際には、ALSは複雑な病態を示し臨床的な視点からの研究が不可欠である。今回、基礎と臨床の両面からこの難病に取組む研究者が参集し、未知の発症機構など新たな方向性の提示も期待される。

2PS-06 11月28日(木)
16:45-19:00
発生・病態エピ / Epigenetic regulation from development to disease
公募企画J
エピゲノム制御が関わる発生・病態の理解と治療への応用
Epigenetic regulation from development to disease and its therapeutic application
オーガナイザー
竹島 秀幸(星薬科大学)、竹信 尚典(埼玉県立がんセンター)
詳 細

エピゲノムによる制御は我々の体の発生に必要不可欠である。しかしながら、エピゲノムは様々な外部刺激などの要因によって変化し、この異常が蓄積することで、がんなどの様々な疾患の発症につながる。本シンポジウムでは、エピゲノムとその制御因子に焦点をあて、それらがどのような分子メカニズムで組織の発生から疾患発症につながるのかを紹介する。また、それらの異常を標的とした疾患治療戦略の最前線についても議論したい。

2PS-07 11月28日(木)
16:45-19:00
原核生物の翻訳 / Prokaryote translation
公募企画E
最先端技術を用いた原核生物の翻訳制御の再探訪
Revisit prokaryotes translational control with cutting-edge tools
オーガナイザー
藤 博貴(理化学研究所)、高田 啓(富山県立大学)
詳 細

翻訳は、生命の根幹を成すタンパク質合成過程である。翻訳はただ画一的にタンパク質を製造するではなく、生物種によって様々な進化を遂げ、多種多彩な翻訳制御機構を発揮する。昨今の真核生物における翻訳制御の進展は、古典的Ribosome profilingやCryo-EMなどの技術を用いて急激に進んできた。では、原核生物ではどうだろうか?本講演では、原核生物の翻訳を研究する新進気鋭の若手研究者が新たにを明らかにした発見を報告する。

2PS-08 11月28日(木)
16:45-19:00
微生物と節足動物 / Arthropod vectors and their microbes
公募企画E
微生物とベクターバイオロジー
Biology of arthropod vectors and their microbes
協賛:一般財団法人 日本パスツール財団
オーガナイザー
鈴木 康嗣(愛媛大学)、大場 靖子(北海道大学)
詳 細

蚊やダニなどの吸血性節足動物は、病原性のウイルスや細菌、寄生虫の媒介者としての側面がよく知られているが、哺乳類にはないユニークな生物学的特性も兼ね備えている。また近年、媒介節足動物集団内でのみ感染を維持している微生物が多く存在することも明らかになってきた。本シンポジウムでは、病原体の媒介という観点に加え、生物学的な切り口から、媒介節足動物とそれに感染する微生物、そして相互作用について議論する。

2PS-10 11月28日(木)
16:45-19:00
ミトコン新技術 / New technologies for mitochondrial research
公募企画E
相互促進:ミトコンドリア研究と新技術の融合・既存技術の拡張
Synergistic Advancement of new technologies with mitochondrial research
オーガナイザー
武田 啓佑(大阪大学)、野口 雅史(和歌山県立医科大学)
詳 細

ミトコンドリアは細胞内代謝ひいては個体運命を決定づける中核的なオルガネラである。21世紀となり早24年、iPS細胞や深層学習を始めとした技術革新は加速度を増し、そのような新技術とミトコンドリア生物学との会合による学際的進化が生じつつある。本シンポジウムでは、新技術あるいは既存技術の新しい拡張的用法を基軸とした、ミトコンドリア本質理解についての研究を紹介しつつ、技術基盤の理解と新しい戦略的着想を生むためのツール活用・発展術について知見を広めることを目指したい。

2PS-11 11月28日(木)
16:45-19:00
植物幹細胞の進化 / Evolution of plant stem cell
公募企画E
植物幹細胞システムの進化
Evolution of plant stem cell system
オーガナイザー
榊原 恵子(立教大学)、石川 雅樹(基礎生物学研究所)
詳 細

陸上植物の多細胞体制構築の起点となる幹細胞は、永続的に組織内に維持され、分化細胞を作り出す。本シンポジウムでは、シンプルな体制を持つコケ植物の幹細胞システムに着目し、その極性形成、分裂、分化の制御、細胞壁特性、ホルモンなどの様々な見地から、国内外の研究者にコケ幹細胞に関する最新の成果を紹介していただく。議論をふまえて、陸上植物の体制構築とその進化について考察し、普遍的な幹細胞制御システムを推察する。

2PS-12 11月28日(木)
16:45-19:00
生殖細胞品質 / Germ Cell Quality
公募企画E
生殖細胞系列における遺伝情報の構築と撹乱
Quality control of genetic and epigenetic inheritance in the germ cell lineage
共催:先端国際共同研究推進事業、国際先導研究
オーガナイザー
林 克彦(大阪大学)、伊川 正人(大阪大学)
詳 細

生殖細胞は次世代に遺伝情報を安定的に伝えるために様々な分化過程をたどる。この分化過程は環境変化や体外培養により影響され、遺伝情報が撹乱されることが示唆されているが、それらについて定量的にアプローチした研究は少ない。本シンポジウムでは、生殖細胞の生体内での分化過程や体外培養での再構築について最新の知見を紹介するとともに、環境変化や体外培養における影響について理解を深める。

2PS-13 11月28日(木)
16:45-19:00
栄養ジェロサイエンス / Nutri-GeroScience
公募企画J
Nutri-agingが制御するジェロサイエンス研究
Nutri-aging in harmony with GeroScience research
オーガナイザー
丸山 光生(国立長寿医療研究センター)、清水 孝彦(国立長寿医療研究センター)
詳 細

老化の要因を解析、そのプロセスを制御することで健康長寿社会の実現に導く新しい研究領域「ジェロサイエンス研究」と栄養について、その加齢に伴う制御機構の変化に注目した最前線の研究を紹介する。摂取、代謝を含めた栄養制御研究の成果が老化の進行や、高齢者における多様性の原因とどのように関わるのかといった「メカニズムを解き明かす」研究を議論し、人生100年時代の一人ひとりの健康長寿の実現を共に考えてみたい。

2PS-14 11月28日(木)
16:45-19:00
ミネラル生物学 / Mineral biology
公募企画J
ミネラルによる個体運命の制御メカニズム
Minerals regulating organismal life
オーガナイザー
小幡 史明(理化学研究所)、岡本 直樹(筑波大学)
詳 細

体内で合成できないミネラルは五大栄養素の一つであり、生命活動を支える上で不可欠である。近年の研究技術の進歩により、ミネラルは単に生存に必要な元素であるという理解を超え、細胞や臓器、さらには個体の運命に積極的に影響を及ぼす要因であることが明確になっている。本シンポジウムでは、各ミネラルの増減を敏感に察知し反応する様々な生物学的プロセスに関する最新の研究を共有し、ミネラル生物学の現状と今後の展望について議論したい。

2PS-15 11月28日(木)
16:45-19:00
遺伝子発現ユニティー / Gene expression unity
公募企画J
多因子間ネットワークが司る遺伝子発現ユニティー
Gene expression unity regulated by multifactorial networks
オーガナイザー
高橋 秀尚(横浜市立大学)、二村 圭祐(群馬大学)
詳 細

これまでの遺伝子発現制御の理解においては、刺激の受容からシグナル伝達、転写、RNAプロセシング、翻訳のプロセスが順に進行し、タンパク質が合成されると考えられてきた。ところが、最近の研究で、遺伝子発現は従来考えられてきたようなプロセス毎の連続反応のみでは理解が困難であり、全てのプロセスが相互に連携し合い、遺伝子発現を統合的に制御する機構の存在が考えられる。本シンポジウムでは、このような新たな遺伝子発現の制御機構について議論したい。

2PS-17 11月28日(木)
16:45-19:00
脳恒常性分子機構 / Molecular Mechanisms of Brain Homeostasis
公募企画J
脳恒常性維持とその破綻の分子メカニズム解明研究の最前線
Frontiers in molecular mechanisms of brain homeostasis and its disruption
オーガナイザー
内田 周作(名古屋市立大学)、竹本 さやか(名古屋大学)
詳 細

脳は細胞内外の環境の変化に応じてダイナミックに細胞内分子イベントを変化させることで生体の恒常性を維持している。近年の分子技術やオミックス解析の進展により、神経機能や行動制御の統合的分子基盤が明らかとなりつつある。本シンポジウムでは、情動、睡眠、ストレス適応など生物システムの恒常性維持機構や中枢疾患病態の分子神経メカニズムについて最新の知見を紹介したい。

3AS-01 11月29日(金)
9:00-11:15
ゲノムギミック / Innovative genetic gimmicks
公募企画E
新しい生物学を拓くゲノムギミック
Deep dive into innovative genetic gimmicks
オーガナイザー
谷内江 望(ブリティッシュコロンビア大学)、齊藤 博英(京都大学)
詳 細

生命システムは驚異であり、生物学もまた驚異的な発見の連続である。生物学では発見が次の技術の種となり、新たに生まれた技術がさらなる発見を誘導するというユニークなサイクルの連続である。これは、モデルシステムに遺伝的な改変を施す実験手段において顕著であった。本シンポジウムでは革新的な生物学を開拓するために新しい仕掛けを作り細胞や動物を改変する研究を行う科学者たちを集め、ビジョン、研究、そしてそれぞれの哲学の深部に触れる。

3AS-02 11月29日(金)
9:00-11:15
宇宙生命科学実験 / Space Life Sciences
公募企画J
宇宙ライフサイエンス実験の最新成果
Frontiers in Space Life Sciences
後援:国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 きぼう利用センター
オーガナイザー
石毛 智子(宇宙航空研究開発機構)、曽我部 正博(金沢工業大学)
詳 細

地上約400km上空に滞在する国際宇宙ステーション(ISS)内の日本実験棟「きぼう」での生命科学実験が始まって約15年が経過した。これまでに細胞を含む生体に対する微小重力と宇宙放射線の効果に着目した40以上の実験が行われてきた。本シンポジウムでは遺伝子、細胞、個体に対する影響および実験技術に関する最新成果を紹介するとともに、今後の宇宙実験のあり方について議論する。

3AS-03 11月29日(金)
9:00-11:15
レトロエレメント / Retroelements: Friends or Foes?
公募企画J
レトロエレメント、敵か味方か
Retroelements: Friends or Foes?
オーガナイザー
中川 草(東海大学)、志浦 寛相(山梨大学)
詳 細

レトロエレメント(RE)はRNAからDNAに逆転写されゲノムに挿入された因子で、LINEやウイルスに由来するものもあり、ヒトを含めた様々な生物のゲノムに存在する。REは通常はエピジェネティックな機構により転写が抑制され機能しない「ゴミ」と考えられていた。しかし、多くの研究が進み、REが様々な疾患に関与する「敵」としての一面を持つと同時に、各種生物の組織の発生・生理機能に重要な役割を果たす「味方」としても機能することが分かってきている。本シンポジウムではREによりもたらされたゲノム機能が関わる生命現象についての最新知見を報告・議論したい。

3AS-04 11月29日(金)
9:00-11:15
プロテインノックダウン / Protein knockdown
公募企画E
プロテインノックダウンが切り開くシン・バイオロジー
Protein knockdown opens up new frontier in biology
共催:科研費・学術変革(A)「タンパク質寿命が制御するシン・バイオロジー」
オーガナイザー
鐘巻 将人(国立遺伝学研究所)、出水 庸介(国立医薬品食品衛生研究所)
詳 細

細胞内の特定のタンパク質を取り除く技術は、生命科学研究および創薬を加速する。近年、その迅速性、可逆性および新創薬可能性から、ユビキチン・プロテアソーム系やオートファジー系を利用した、プロテインノックダウンと呼ばれるタンパク質分解除去技術が注目を集めている。本シンポジウムではPROTAC、IMiD、デグロン、AUTAC等のプロテインノックダウン技術を開発している研究者により、これら技術が生命科学研究及び創薬に与えるインパクトを議論する。

3AS-05 11月29日(金)
9:00-11:15
細胞外小胞学 / Extracellular Vesicle Research
公募企画J
細胞外小胞学の最前線
Frontiers of Extracellular Vesicle Research
協賛:日本細胞外小胞学会
オーガナイザー
横井 暁(名古屋大学)、山本 雄介(国立がん研究センター)
詳 細

エクソソームを中心とする細胞外小胞研究が興隆し10年余り、細胞間コミュニケーションツールとしての機能が次々と明らかになる一方、再現性のある機能解析を行う上での課題も蓄積されている。新しい研究開発と並行して、研究の質向上に向けた取り組みが世界的に進んでおり、本年あらたな研究指針となるMISEV2023がリリースされた。本セッションでは次の10年を見据え、多様な生物学領域における最先端の知見を集結することで、細胞外小胞が持つ大いなる可能性を議論する。

3AS-06 11月29日(金)
9:00-11:15
双方向母胎ネットワーク / Bidirectional feto-maternal crosstalk
公募企画J
発生を制御する母体―胎児の双方向分子ネットワーク
Bidirectional molecular network in fetal-maternal crosstalk regulating fetal development
オーガナイザー
三原田 賢一(熊本大学)、豊島 文子(京都大学)
詳 細

妊娠期には、胎児は必要な栄養素や代謝物を、母胎はその要求をフィードバックシグナルという形で受け取っている。この複雑な母胎連関は胚発生のみならず、エピゲノム制御を通じて出生後の子の健康状態にも深く関わっていると考えられる。近年の研究により、その分子ネットワークの役割及び分子機構が明らかにされてきた。本シンポジウムでは、母胎連関に関わる双方向ネットワークの分子生物学的メカニズムについて議論する。

3AS-07 11月29日(金)
9:00-11:15
細胞運命変換 / Cell fate conversion
公募企画J
細胞運命変換モジュレーションを疾患生物学から捉える
Modulation of Cell Fate Conversion in approaches from Biological Disorders
オーガナイザー
松本 征仁(順天堂大学)
詳 細

発生・分化、老化や病態の進展と治癒、可塑性の獲得は、細胞の運命変換と捉えることができる。細胞運命変換の研究の進展により生命現象におけるダイナミックな変容と機能が明らかとなり、さまざまな疾患に対する創薬開発も期待されている。本シンポジウムは、細胞運命変換をキーワードに遺伝子発現、細胞分化、代謝、細胞リプログラミング、再生医療の観点から“細胞の運命転換制御”について多角的に論議し、これまでの枠組みを超えた新たな境界領域の発展のきっかけとなれば幸いである。

3AS-08 11月29日(金)
9:00-11:15
細胞代謝から病態 / Cell-type specific metabolism to disease
公募企画E
細胞種特異的な代謝変化の理解から生活習慣病の全身病態の制御へ
Understanding cell-type-specific metabolic changes toward regulation of systemic metabolism in life-style related diseases
オーガナイザー
平池 勇雄(東京大学)、戸田 知得(熊本大学)
詳 細

ヒト糖尿病患者の骨格筋細胞や脂肪細胞では発症早期からミトコンドリアの酸化的リン酸化を司る遺伝子群が一様に低下している。同様に神経細胞、肝細胞、マクロファージ細胞などにおける細胞種特異的な代謝変化と糖尿病や肥満など生活習慣病の結びつきが解析されてきた。本シンポジウムでは気鋭の若手研究者が集まり、細胞種特異的な代謝変化から生活習慣病に至るメカニズムや病態制御に向けた展望について議論したい。

3AS-10 11月29日(金)
9:00-11:15
生体材料ECM / ECM as Materials
公募企画E
生体を構成する材料としてのECM
ECM as Materials Composing Living Organisms
共催:科学研究費補助金 学術変革領域研究 (A) 細胞外情報を統御するマルチモーダルECM
オーガナイザー
秋元 文(お茶の水女子大学)、藤原 裕展(理化学研究所)
詳 細

近年、細胞外マトリックス(ECM)は従来考えられていたよりも遥かに動的な物質であり、多細胞システムの自己組織化や器官の形づくりといった複雑で動的な生命現象を支えていることが少しずつ明らかになってきた。今後、ECMをさらに理解するためには、従来の枠組みを超えた融合的な視点が必要となる。本シンポジウムでは、細胞・発生生物学者と材料科学者が生体構成材料であるECMについて議論し合い、ECMの本質を探求する。

3AS-11 11月29日(金)
9:00-11:15
RNA翻訳&代謝 / Translation and metabolism-emerging relationship
公募企画E
mRNA翻訳と代謝の調和:生命現象と疾患の根幹
Cross-talk between mRNA translation and metabolic programs in homeostasis and diseases
オーガナイザー
森田 斉弘(University of Texas Health Science Center at San Antonio)、Ivan Topisirovic(McGill University)
詳 細

タンパク質合成(mRNA翻訳)は、細胞内で最もエネルギーを消費するプロセスであり、細胞の中心的かつ基本的なプロセスの1つである。mRNA翻訳とエネルギー代謝の調節は、ストレスに対する適応において中心的な役割を果たしており、機能不全に陥ると、がんや代謝性疾患を含む様々な病気・病態を引き起こすと考えられている。にもかかわらず、技術的な制約から、mRNA翻訳とエネルギー代謝の関係は未解明なままであった。本シンポジウムでは、生理学的および病理学的条件下におけるmRNA翻訳および代謝プログラムを制御する新たな分子機構に焦点を当て、これらの知見が疾患に対する新たな治療戦略となる可能性について議論する。

3AS-12 11月29日(金)
9:00-11:15
3Dゲノム動態 / Dynamics of the 3D genome organization
公募企画E
3次元ゲノム構造のメカニズムとダイナミクスと機能
Mechanisms, dynamics, and functions of the 3D genome organization
オーガナイザー
平谷 伊智朗(理化学研究所)、斉藤 典子(がん研究会がん研究所)
詳 細

ゲノムDNAは細胞核内で折りたたまれ、メガベース単位の巨大なドメインごとに区切られたり、直鎖DNA上では遠い位置にあるはずの遺伝子が立体空間では近接するなどしている。この高次構造は発生や分化の過程でダイナミックに変化し、DNA複製や転写を制御し、その異常は疾患につながる。本シンポジウムでは、1細胞全ゲノム解析法やHi-Cなどの高度先端技術を駆使して、ゲノム複製から3次元ゲノム構造まで、様々な観点からゲノム動態の解明に挑戦する研究者らを国内外から招き、最新の知見を交換し議論する場とする。

3AS-13 11月29日(金)
9:00-11:15
Understanding GPI Anchors
公募企画E
Dancing on the lipid raft, glycosylphosphatidylinositol(GPI)-anchor, an active player in signal transduction and genetic disorders
オーガナイザー
Qi Zhang(University of Tsukuba)、山下 俊英(大阪大学)
詳 細

In recent years, many inherited GPI deficiency(IGD) patients have been discovered based on whole-exome sequencing technology. Current symposium will gather multidisciplinary scientists to discuss the latest research about GPI-anchor (a type of “sugar-fat" modification), including biosynthesis and modification of GPI-anchor in mammalian cells, the newly discovered roles of GPI protein, and the development of diagnosis and therapy strategy of IGD disease.

3AS-14 11月29日(金)
9:00-11:15
細胞機能拡張 / EnBio
公募企画J
細胞機能拡張
Enhanced Biology
オーガナイザー
田中 洋介(熊本大学)、門之園 哲哉(東京科学大学)
詳 細

高齢化社会において加齢による細胞機能障害や疾患を克服し、温暖化していく地球や宇宙などの未知の環境に人類が適応し存続していくためには、“細胞機能さらには個体を拡張・強化(エンハンス)”する必要がある。そのためには、まず個々の細胞の機能をエンハンスするための知識と基盤技術が必要とされる。そこで、本ワークショップでは、技術のエンハンスという課題に特化し、これまでの生物学的常識を払拭する先端研究を紹介する。

3AS-15 11月29日(金)
9:00-11:15
メチル化生物学 / The Biology of Methylation
公募企画J
メチル化修飾生物学 -分子修飾が生み出す精巧な生命制御システム-
The Biology of Methylation: The role of small molecular modifications in biological systems
オーガナイザー
今野 雅允(産業技術総合研究所)、常陸 圭介(藤田医科大学)
詳 細

• メチル化修飾は、DNA、RNA、タンパク質など、さまざまな生体分子に付加される化学修飾である。これらの修飾は、遺伝子発現、タンパク質機能、RNA安定性の制御などを通じて、さまざまな生命現象に関与する。本シンポジウムでは、若手研究者によるメチル化修飾に関連した最先端の研究成果を紹介することで、メチル化修飾が生み出す生命機能制御システムの理解を深め、この分野への新規参入のきっかけを提供する。

3AS-16 11月29日(金)
9:00-11:15
近接依存性標識法 / Proximity-dependent labeling technologies
公募企画J
近接依存性標識法が紐解く生命現象と病態生理
Understanding of biological and pathological events using proximity-dependent labeling technologies
オーガナイザー
奥山 一生(理化学研究所)、高野 哲也(九州大学)
詳 細

近接依存性標識法(PDL)はビオチンリガーゼなどの酵素を用いて、標的タンパク質に近接する分子を生細胞や生体において標識する技術である。この方法は、網羅的な分子間相互作用の解析に加えて、未知の生命現象や病態メカニズムの解明にも貢献している。本セッションでは、PDLを用いて発見された生物学的現象や病態生理に関する最新の研究成果を紹介し議論したい。さらに、PDL解析の実施に向けて必要な情報を広く聴衆に提供したい。

3AS-17 11月29日(金)
9:00-11:15
オルガネラ恒常性 / Organelle homeostasis
公募企画J
巧妙なオルガネラ恒常性維持システムの最前線
The forefront of sophisticated organelle homeostasis
オーガナイザー
蜷川 暁(神戸大学)、吉田 雪子(東京都医学総合研究所)
詳 細

オルガネラの恒常性維持は、生命にとって極めて重要なプロセスであり、その破綻は様々な疾患を引き起こす。このメカニズムの理解は喫緊の課題であり、「巧妙」に組み立てられたオルガネラ恒常性維持機構に関する重要な発見が相次いで報告されている。本シンポジウムでは、小胞体、ゴルジ体、ミトコンドリア、ペルオキシソーム、エンドソームなどのオルガネラの恒常性維持に関する最新の知見を、若手を中心とした専門家が議論する。

3PS-01 11月29日(金)
16:45-19:00
ジャンクRNA / Junk RNA
公募企画E
非コードRNA発現によるジャンクDNA機能の顕在化とその阻止機構
Manifestation of junk DNA functionality through noncoding RNA expression and its inhibition mechanisms
オーガナイザー
廣瀬 哲郎(大阪大学)、栗原 美寿々(北海道大学)
詳 細

近年、ゲノム中に散在するジャンクなリピート領域から様々な非コードRNAが合成され、重要な機能を果たす可能性が浮上してきた。その一方で、こうしたリピート領域は、可動因子としてゲノム変異を誘発したり、遺伝子発現を乱す有害な存在となりうるため、細胞はそれらを抑え込むためにRNAを利用した巧妙な阻止機構を獲得している。本シンポジウムでは、こうしたゲノムのジャンク領域をめぐるせめぎ合い機構に焦点を合わせ、ゲノム機能拡張の原動力としての非コードRNA産生について考察する。

3PS-02 11月29日(金)
16:45-19:00
iPS細胞展開 / Pluripotent stem cell research frontiers
公募企画J
多能性幹細胞を用いた研究の最新展開
Recent Developments in Research Using Pluripotent Stem Cells
オーガナイザー
林 洋平(理化学研究所)、宮岡 佑一郎(東京都医学総合研究所)
詳 細

ヒト多能性幹細胞は、in vivoの実験ができないヒトの生命現象に対して、分子・細胞・発生生物学やその応用研究開発としての再生医療や創薬に対して貢献し、汎用的かつ貴重なツール・リソースとして広く利用されるようになってきている。本シンポジウムは、ヒト多能性幹細胞を用いて、リプログラミング、ゲノム編集、パイオニア因子、トランスクリプトーム、プロテオーム、病態モデル、治療法開発といった内容での先端的な研究を紹介するとともに、多能性幹細胞の今後の利用とさらなる発展を考える契機となる場とする。

3PS-03 11月29日(金)
16:45-19:00
ゲノム動態新展開 / Molecular Clusters Directing Genome Dynamics
公募企画E
超分子複合体が拓くゲノム動態研究の新機軸
Higher-Order Molecular Clusters: Emerging Frontiers in Genome Dynamics Research
オーガナイザー
高橋 元子(がん研究会)、原 昌稔(大阪大学)
詳 細

DNA複製、修復、転写、分配といったゲノム動態は生命の基本であり、これまでに多くの知見が積み重ねられている。一方で、近年、超解像イメージング、電子顕微鏡解析、タンパク質操作技術や計算科学の発展により、複数の分子群から形成される「超分子複合体」とその特有の機能が新たに捉えられるようになり、ゲノム動態の研究は、いま新たな展開を迎えている。本シンポジウムでは、超分子複合体に着目することでゲノム動態制御機構を刷新し、今後の展望を議論したい。

3PS-04 11月29日(金)
16:45-19:00
腎臓の最新理解 / Understanding the kidney biology
公募企画E
複雑系臓器「腎臓」の再生・免疫・障害を分子生物学的に理解する
Understanding the regeneration, immunology, and disorders of the complex organ kidney from a molecular biological perspective
共催:日本腎臓学会
オーガナイザー
西 裕志(東京大学)、豊原 敬文(東北大学)
詳 細

腎臓は排泄器官であると同時に代謝・内分泌器官として体内ホメオスターシス維持の中枢を担う一方,代謝異常,慢性炎症,そして線維化には脆弱な臓器である.これらを克服するため現代科学にかかる期待は大きいが,組織学的構造や生理作用が複雑なために研究者が新規参入しづらく,再生が最も難しい臓器の一つでもある.本シンポジウムでは,一細胞オミクスや時間・空間的遺伝子発現制御の最新技術によって何が明らかになったか,国内外で躍進する若手研究者が腎臓の発生・再生・免疫・炎症の理解進展の現況と可能性を共有する.

3PS-05 11月29日(金)
16:45-19:00
シス生大反省 / SysBio After-party
公募企画J
システム生物学大反省会
After-party of systems biology
オーガナイザー
姫岡 優介(東京大学)、守屋 央朗(岡山大学)
詳 細

「システム生物学」が提案され、本年で約25年である。それではシステム生物学は何を残したのだろうか。その一部は、今日では殆ど意味がないものになり、また別の一部は、当たり前のこととして陳腐化したことだろう。一方で、未解決かつ重要な問題や、新しく見えてきた問題もあるに違いない。本シンポジウムでは、システム生物学の立役者達と若手研究者の対話を通して、過去の、そして未来のシステム生物学について考えたい。

3PS-06 11月29日(金)
16:45-19:00
多細胞生命自律性 / Multicellular autonomy
公募企画J
多細胞生命自律性の生成原理の理解と制御
Understanding and controlling the mechanisms underlying multicellular autonomy
共催:学術変革領域研究 (A)「多細胞生命自律性」
オーガナイザー
石谷 太(大阪大学)、井垣 達吏(京都大学)
詳 細

多細胞システムは、その発生・再生プロセスにおいて生じたノイズや揺らぎを細胞間相互作用を介して解消する「自律性」を備えている。本シンポジウムでは、細胞競合をはじめとする「発生・再生・がん・老化などの生物の時空間変容を支える多細胞生命自律性」のメカニズムとその制御に関する最新トピックを紹介する。次代を担う多細胞生命自律性研究者が結集し、多細胞研究の未来を議論する場としたい。

3PS-07 11月29日(金)
16:45-19:00
植物生存戦略 / Plant Survival Strategy
公募企画J
植物の個性に基づく生存戦略
Survival strategies based on plant individuality
オーガナイザー
松永 幸大(東京大学)、杉本 慶子(理化学研究所)
詳 細

食虫植物は特殊な形態の捕虫葉を分化させ、高温を経た植物が再度の高温に耐性を持つ。このように、環境が急速に変化しても素早く移動できない植物は、巧みな生存戦略をとってきた。その生存戦略を「個性」という新たな視点から解き明かしている研究者が集まり、エピジェネティクス、表現型の可塑性、器官再生、生物間相互作用などの多面的なアプローチから植物の生存戦略研究の科学的面白さを紹介する。

3PS-08 11月29日(金)
16:45-19:00
倍数性変化 / Perspectives from ploidy alterations
公募企画E
倍数性変化の機構とその意義
Causes and consequences of ploidy alterations
オーガナイザー
趙 民知(がん研究会)、上原 亮太(北海道大学 先端生命科学研究院)
詳 細

多くの正常細胞は二倍体の染色体コピー数(倍数性)を保つが、細胞周期制御の異常や変容により「多倍体化・異数体化」といった倍数性変化が生じる。このような変化は細胞の老化や不均一化、また多様な疾病と関連し、その重要性から、さまざまな研究が行われてきた。本シンポジウムでは、多彩な生命現象における倍数性変化の過程や原理、そして細胞から個体レベルでのその意義について、最新の知見を相互的に理解し、議論したい。

3PS-10 11月29日(金)
16:45-19:00
複製フィデリティ / Genome replication fidelity
公募企画E
ゲノム複製フィデリティ‐始まりから終わりまで
The essence of genome replication fidelity - from initiation to termination
オーガナイザー
大学 保一(がん研究会)、高橋 達郎(九州大学)
詳 細

ゲノム複製は分子生物学の長年の中心的課題の1つであり,転写,組換え,修復,染色体構築など多数の反応との連携も解明されつつある.一方で,それらと協調する,または,干渉し合う機能が遺伝情報の安定性・不安性に寄与する仕組みは十分に理解されていない.本シンポジウムではゲノム複製の「始まり」から「終わり」までの時間軸において,複製関連反応の動的な仕組みへの洞察を深め,複製とゲノム情報維持機構の連携について議論する.

3PS-11 11月29日(金)
16:45-19:00
膜輸送研究最前線 / The forefront of membrane trafficking
公募企画E
古くて新しい膜輸送研究最前線
Membrane Trafficking Research; Old and New
オーガナイザー
齋藤 康太(秋田大学)、申 惠媛(京都大学)
詳 細

膜輸送研究は出芽酵母で始まり多様な発展を遂げている。しかし、各生物種におけるオルガネラのアイデンティティーが再評価されていること、哺乳細胞における小胞体からの輸送では、小胞を用いた膜輸送システムが存在しない説が唱えられるなど、いまだに多くの謎が残された分野である。本シンポジウムでは、国内外でさまざまな手法と生物種を用いて精力的に膜輸送研究を行っている研究者を一堂に集め、種間保存性と多様性をはじめとした膜輸送研究の今後の課題について議論したい。

3PS-12 11月29日(金)
16:45-19:00
次世代栄養学 / Precision Nutrition
公募企画J
学際融合で挑む栄養学の原点復帰
Returning to the origins of nutritional science through interdisciplinary collaboration
オーガナイザー
高橋 伸一郎(東京大学)、宮本 崇史(筑波大学)
詳 細

生命現象に対する理解が深まるにつれ、多彩な栄養素の役割に注目が集まっている。しかし栄養素が紡ぎ出す情報は複雑であるため、栄養素の機能性を完全に理解するには至っていない。そこで本シンポジウムでは、多種多様な生命現象を「栄養素」の観点から理解するという栄養学の本質を念頭に置き、栄養素が織りなす情報をどのように捉えることが、生命現象の理解につながるのかを学際的に議論する。また、本議論を通じて、未来の栄養学研究に革命をもたらし得る新たなアイデアや視点を議論したい。

3PS-13 11月29日(金)
16:45-19:00
ミトレンジャー / The Guardians of Mitochondria
公募企画E
ミトコンドリア生物学の最前線とその応用展開
Innovations in Mitochondrial Biology: From Theory to Application
オーガナイザー
志村 大輔(ユタ大学)、谷 春菜(東北大学)
詳 細

ホメオスタシスの要および多くの疾患の表現型として、常に注目を浴びるミトコンドリア。その機能は核DNAにコードされる因子だけでなく、ミトコンドリア内のDNAやRNA、さらには他のオルガネラとのコミュニケーションによって複雑かつ厳密に制御されている。本シンポジウムでは、1つのオルガネラ(ミトコンドリア)の秩序維持と疾患に対して勇敢に立ち向かう多くの制御因子(ミトレンジャー)の分子生物学的な活躍と、臨床応用への展望を紹介する。

3PS-14 11月29日(金)
16:45-19:00
生老病死の最前線 / Frontiers of Life-Aging-Disease-Death
公募企画J
生老病死を紐解く疾患分子生物学の最前線
Frontiers of Disease Molecular Biology Unraveling “Life-Aging-Disease-Death"
オーガナイザー
田中 知明(千葉大学)、南野 徹(順天堂大学)
詳 細

エイジングシグナルやメタボリックストレスが織り成すネットワークは、細胞老化のみならず臓器や個体の老化と交絡しながら、多様な疾患分子病態に関与する。シングルセルや空間トランスクリプトミクス解析を用いた臓器間/細胞間ネットワーク解析手法やデータサイエンスの発達、高感度プロテオミクスや多階層性解析の進展と相まって、病態メカニズムと制御基盤を多元的に捉えることが可能となってきた。本シンポジウムでは、「生老病死の紐解く疾患分子生物学」をテーマに、新たなアプローチを通じて、疾患病態との関わりを切り開いてきた先駆的研究を紹介する。生老病死の分子生物学について、皆さんと議論を深めたい。

3PS-15 11月29日(金)
16:45-19:00
変性疾患多元理解 / Comprehensive understanding of protein behaviors
公募企画J
神経変性疾患を多面的に~生物・化学・物理・情報から~理解する
Multidisciplinary research on neurogenerative disorders
オーガナイザー
齋尾 智英(徳島大学)、奥村 正樹(東北大学)
詳 細

神経変性疾患の発症要因は複合的であり、その理解のためにはタンパク質異常を主軸としながらも、学問群を越えた包括的研究が望まれている。本シンポジウムではタンパク質構造異常化の速度論に着眼し、神経変性疾患における化学・物理学・生物学・情報科学のアプローチにより第一線で活躍する演者を招聘し、最新の知見について紹介する。

3PS-16 11月29日(金)
16:45-19:00
発達ネオ病理 / NeoPathology of Neurodevelopmental Disorders
公募企画J
神経発達障害のネオパソロジー
NeoPathology of Neurodevelopmental Disorders
オーガナイザー
若月 修二(国立精神神経料研究センター)、高雄 啓三(富山大学)
詳 細

近年、コミュニケーションや認知に障害をきたす発達障害児の割合が増加し、大きな社会問題となっている。遺伝的要因や環境的要因など、発症に影響するさまざまな病因がこれまでに指摘されているが、発症率増加との因果的関係は未だ解明されていない。しかしながら、ほとんどの病因は発生期や周産期の神経発達に作用することから、その背景には異なる病因に潜む共通メカニズムが存在する可能性があり、この共通メカニズムを解明することは疾患の正確な分子標的の発見につながると考えられる。本シンポジウムでは、この共通メカニズムを「神経発達障害のネオパソロジー」と位置づけ、疾患の分子生理基盤の確立に向けた今後の課題について議論し、この分野での研究を志す若い研究者のためのプラットフォームを提供する。指定演題では、げっ歯類のみならず霊長類を対象とするなど、さまざまな側面から疾患の発症および病態解明に取り組む第一線の研究者による最新の知見を紹介する。また、一般演題からは、新しい技術を活用した精神疾患研究を取り上げる。 若手研究者からの積極的な応募を期待したい。

3PS-17 11月29日(金)
16:45-19:00
TOR経路 / The TOR signaling
公募企画J
やっぱり大事なTORシグナリング ~複層的TORの包括的理解へ向けて~
The TOR signaling - Toward a comprehensive understanding
オーガナイザー
谷川 美頼(浜松医科大学)、中津海 洋一(名古屋市立大学)
詳 細

TORキナーゼは、2つの独立した複合体、TOR複合体1(TORC1)およびTOR複合体2(TORC2)を形成し、栄養・増殖因子・ストレスなど細胞内外の増殖関連シグナルを検知・統合して細胞の代謝を制御する。そのため、TORは広汎な生理機能の制御に関わるのみならず、その機能の破綻はさまざまな病理現象の基盤ともなっている。本シンポジウムでは、様々なモデル生物を用いたTORの制御機構とその生理機能に迫る試みから、TOR複合体のタンパク質設計およびTOR阻害薬ラパマイシンの臨床応用まで、最新の研究成果を紹介して今後の展望をシェアしたい。

ミニシンポジウム テーマ一覧

※セッション番号について:
開催日 + ミニ(M) + シンポジウム(S)+ -(ハイフン)+ 会場
(例)3MS-05:第3日目・ミニ・第05会場

※時間について:各日15:10-16:30

※講演言語について:
E 英語 J 日本語

※ライブ配信を行いますが、オンデマンド配信の予定はございません。

1MS-01 11月27日(水)
15:10-16:30
がん三次元培養 / Cancer 3D culture research
J
がん三次元培養研究の新次元
A new dimension in cancer 3D culture research
共催:がん三次元培養研究会
オーガナイザー
後藤 典子(金沢大学がん進展制御研究所)、岡本 康司(帝京大学)
詳 細

あらゆる組織が幹細胞の自己複製と分化増殖によって構築されるように、がん組織もがんの幹細胞の自己複製と分化増殖によって構築されている。これをin vitroで再現するオルガノイドやスフェロイドといった三次元培養系を用いた研究が、近年世界的に盛んに行われている。三次元培養系は、製薬企業など産業界も注目する分野としてさらなる広がりを見せている。本シンポジウムでは、がん三次元培養研究の新次元と題し、本分野における最先端の研究成果をご紹介する。「がん三次元培養研究会」との共催です。

1MS-02 11月27日(水)
15:10-16:30
細胞運命制御 / Cell fate control
公募企画J
多階層システムから迫る細胞運命制御研究の新展開
Unraveling cell fate control mechanisms through multilayered systems
オーガナイザー
高橋 朋子(埼玉大学)、岡崎 朋彦(北海道大学)
詳 細

細胞内外からのインプットに応じた細胞の分化や細胞死、老化といった細胞の運命は、DNA、RNA、タンパク質の各階層でダイナミック且つ精密に制御され、決定されることが明らかとなってきた。本セッションでは、生理的及び病理的ストレスに晒された細胞が辿る運命を決定する因子は何なのか?またその運命を制御することが可能なのか?を中心テーマとする。各階層もしくは多階層システムを用いて細胞運命制御の解明に取り組む専門家による研究発表及び討論を通して、細胞運命制御の新規研究展開を目指す。

1MS-04 11月27日(水)
15:10-16:30
老化と疾患 / Aging and Disease Dynamics
J
老化の視点からの疾患メカニズムの探求:細胞から臓器までの包括的アプローチ
Exploring Disease Mechanisms from the Perspective of Aging: A Comprehensive Approach from Cells to Organs
オーガナイザー
細山 徹(国立長寿医療研究センター)、杉本 昌隆(東京都健康長寿医療センター)
詳 細

今世紀に入り老化研究は著しい進歩を遂げ、「Hallmarks of Aging」に示される老化現象の基盤となるメカニズムが細胞から臓器レベルまで明らかになってきた。本シンポジウムでは、老化の視点からさまざまな病態の成因や増悪化の機構を論じ、さらには動物モデルを用いた研究から導かれた加齢性疾患の治療戦略の可能性についても議論したい。

1MS-05 11月27日(水)
15:10-16:30
生体膜探究 / Biomembrane Exploration
J
多様な技術で解き明かす生体膜ダイナミズム
Unraveling the biomembrane dynamics by advanced technology
共催:JST ACT-X「環境とバイオテクノロジー」領域
オーガナイザー
岩間 亮(東京大学)、水池 彩(国立感染症研究所)
詳 細

生体膜は細胞やオルガネラを周囲の環境から区画化するうえで不可欠な要素であり、多彩な細胞機能を創出している。生体膜構成脂質の組成やその分布はダイナミックに変化し、生体膜は様々な性状・形態を取る。このような複雑な生体膜のポテンシャルを理解するには、幅広い研究領域を融合して取り組むことが肝要である。本シンポジウムでは、生体膜が織りなす生命現象を様々な技術で解明する、あるいは、生体膜研究に資する新技術開発に取り組む若手研究者の講演を中心に、生体膜研究の展開を報告する。

1MS-06 11月27日(水)
15:10-16:30
3D空間オミクス / 3D spatial single-cell omics
公募企画J
三次元空間一細胞オミクス計測へ向けて
Toward the 3D spatial single-cell omics measurement
オーガナイザー
城口 克之(RIKEN)、橋本 均(大阪大学)
詳 細

多細胞生物の各細胞は基本的に三次元空間に配置されており、それぞれの細胞の位置は多細胞システムの適切な機能の発揮に巧妙に組織されていると思われる。本シンポジウムでは、細胞の三次元位置情報を保持した一細胞オミクス計測法、解析ツールや応用において、新規のアプローチを実践している演者を迎え、それらの開発、チャレンジ、発展性などについて議論したい。

1MS-07 11月27日(水)
15:10-16:30
生殖代謝学 / Reprometabolism
J
生殖代謝学:栄養と代謝による生殖サイクルの制御
Reprometabolism: Nutritional and metabolic control of the reproductive cycle
オーガナイザー
林 陽平(東北大学)、前澤 創(東京理科大学)
詳 細

生殖細胞系列は胚発生期に始原生殖細胞として出現し、成体の長い期間に亘って保持され、次世代個体を生み出す機能を維持し続ける。胚発生から新生児期には母体由来の栄養環境、成体では自身の置かれる栄養環境が生殖細胞や支持細胞の代謝状態に影響し、エピゲノム状態や生殖機能の制御に関わるが、その仕組みを明らかにする研究は端緒についたばかりである。本企画ではこのような研究を生殖代謝学と位置づけ、その歩みと展望について議論する。

1MS-08 11月27日(水)
15:10-16:30
普遍・特殊な糖鎖 / Common and specie-characteristic glycans
J
多様な生物種における糖鎖の普遍性と特殊性
Common and specie-characteristic glycans in diverse biological species
オーガナイザー
藤平 陽彦(理化学研究所)、矢木 宏和(名古屋市立大学)
詳 細

糖鎖修飾は主要な翻訳後修飾であり、発生やウイルス感染などの様々な生命現象に関わる。糖鎖の発現や構造の異常は様々な疾患と関連することからも、糖鎖の重要性がわかる。興味深いことに、糖鎖の構造は生物種によって多様で、”共通している構造=普遍性”と”種に特徴的な構造=特殊性”がある。本シンポジウムでは、そのような糖鎖の普遍性と特殊性に関して、気鋭の研究者から最新の知見について発表していただき、その重要性について議論を交わしたい。

1MS-09 11月27日(水)
15:10-16:30
研究・実験自動化 / Laboratory Automation
公募企画J
忙しい人のためのラボラトリーオートメーション
Laboratory Automation: A Quick Review for Busy Scientists
共催:ラボラトリーオートメーション研究会
オーガナイザー
神田 元紀(理化学研究所)、加藤 月(理化学研究所)
詳 細

このミニシンポジウムでは、ラボラトリーオートメーション(研究の自動化)に関するさまざまな対象・分野・方法に関する実施例・実装を8人×10分で紹介し、分野全体を一気に駆け抜けます。自動化によって達成された成果の発表に留まらず、ラボラトリーオートメーションに必要な生命科学・ハードウェア・ソフトウェアの研究開発現場の生の声を直接共有できる場を提供することを目指します。

1MS-10 11月27日(水)
15:10-16:30
臓器とエネルギー / Organs and energy
J
臓器が描くATP・GTPエネルギー戦略
Powering Life: Organ-Specific ATP & GTP Energy Strategies
オーガナイザー
飯尾(小川) 亜樹(シンシナティ大学)、千田 俊哉(高エネルギー加速器研究機構 )
詳 細

高等動物の生命活動は、心臓、腎臓、肝臓、胃腸など多様な臓器が状況に応じ働くことで支えられている。各臓器ごとにエネルギーの使い分けが行われていると考えられるが、その制御は未知の部分が多い。本シンポジウムでは、ATPとGTPなどのエネルギー分子がどのように臓器別に管理・利用されているか、新たな治療開発も視野にいれつつ遺伝子から個体レベルまでマルチスケールでの理解に挑む。

1MS-11 11月27日(水)
15:10-16:30
動的染色体再編成 / Dynamism of chromosome rearrangement
E
進化と発生における染色体再編成のダイナミズム:線虫研究が切り拓く新潮流
The dynamism of chromosome rearrangement in evolution and development: Insights from nematode research
オーガナイザー
杉本 亜砂子(東北大学)、吉田 恒太(新潟大学)
詳 細

ゲノム解析の高度化により、進化や発生の過程で染色体再編成が予想以上にダイナミックに起きていることが明らかになってきた。本シンポジウムでは、多様な線虫種において発見された、種分化と連動した染色体融合や、発生途上の胚に起きる染色体削減をはじめとする、染色体再編成現象の最先端研究を紹介する。「染色体とは安定な構造である」という従来の認識を覆すこれらの研究を通じて、染色体生物学の未来展望について議論したい。

1MS-12 11月27日(水)
15:10-16:30
ゲノム科学データ / Genome biology and databases
E
ゲノム科学を駆動するゲノム機能・構造データとデータベース
Genome biology and databases
オーガナイザー
川路 英哉(東京都医学総合研究所)、村川 泰裕(京都大学)
詳 細

ゲノム多様性やエピゲノム、トランスクリプトームといったゲノム機能・構造に関する様々な側面の解明がハイペースで続いており、これらは先端的な測定・解析技術および基盤として用いられるデータベースによって支えられています。本セッションでは、この分野における最新の研究とそこから得られたゲノムに関する知見について議論します。

1MS-13 11月27日(水)
15:10-16:30
血管周囲細胞研究の10年 / Decade of Perivascular Cell Research
J
血管周囲細胞研究―これまでの10年これからの10年―
Perivascular Cell Research: The Past Decade and the Future Decade
オーガナイザー
山本 誠士(富山大学)、榎本 篤(名古屋大学)
詳 細

血管研究は長い歴史があり、細胞生物学的、病態生理学的発見が相次いで行われてきた。一方で血管周囲細胞研究は、10年余りの歴史があるに過ぎない。これまでに我々は、日本分子生物学会で血管周囲細胞にフォーカスしたシンポジウムを9年継続して行ってきたことから、血管周囲細胞研究の歴史を知る伝道師であるといってもよい。本シンポジウムは、血管周囲細胞のこれまでの10年を再考し、これからの10年について議論を行うものである。大学院生からシニア研究者までの幅広い層を対象にし、血管周囲細胞の種類、臓器特異性、血管調節機能、病態形成機構に関する歴史と最先端研究を概説し、今後の血管周囲細胞研究の展望について深く議論する。

1MS-14 11月27日(水)
15:10-16:30
脳神経エピゲノム / Epigenetics and neuroscience
J
エピゲノム解析は神経科学研究にどう貢献できるか?
How does epigenetics study contribute to neuroscience field?
オーガナイザー
岸 雄介(東京大学)、阿部 欣史(慶應義塾大学)
詳 細

エピゲノムは、細胞がおかれる環境の変化に反応し、遺伝子発現の変化を介して細胞の応答性を変化させる。神経系も環境変化を受容し、個体の行動を制御するが、個体の環境変化がどのように神経系細胞のエピゲノムを変化させ、神経系の機能に影響を与えるかについては必ずしも明らかではない。本シンポジウムでは、マウスや昆虫などのモデル生物を用いて神経科学の分野で活躍する若手研究者に最新の研究をご紹介していただくことで、発生や加齢、ストレス、疾患などによる神経機能変化におけるエピゲノムの役割の可能性について議論したい。

1MS-15 11月27日(水)
15:10-16:30
構造生命科学 / Structural Life Sciences
J
構造生命科学の新展開 -ダイナミクスからin situまで-
Recent advances in structural biology
オーガナイザー
加藤 英明(東京大学)、西増 弘志(東京大学)
詳 細

クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)における様々な技術革新により、我々は様々な生命現象を原子レベルから理解するのみならず自然界に存在しないタンパク質のデザインまでも可能になりつつある。本ワークショップではcryo-EMを用いたタンパク質や核酸のダイナミクス解析やin situ解析、そうした技術を活用した新規タンパク質の開発など、最新の研究成果を中心に発表・討論を行いたい。

1MS-16 11月27日(水)
15:10-16:30
微生物学の挑戦 / New Horizons of Microbiology
J
めっちゃおもろいやん!微生物の世界
It's Microbe Time !!
オーガナイザー
片岡 正和(信州大学)、高木 博史(奈良先端科学技術大学院大学)
詳 細

"システムとしての生命体"や"生きている状態"を知るなど,根本的な"なぜ"に答えるため,シンプルな生命システムである微生物を対象に議論する。特殊環境での生命,翻訳メカニズム,細胞システムの全貌,微生物の共生を含む集団としての振る舞い,そして伝統的な発酵の現代技術による革新など,広範な話題を新しい"微"生物学の独創的研究を展開中の演者たちから提供する。さらに研究を動画等で魅力的かつ正確に伝える試みの話題も提供する。

2MS-01 11月28日(木)
15:10-16:30
脳疾患のヒト固有性 / Human-specificity in brain disorders
公募企画E
脳疾患におけるヒト固有メカニズム
Human-specific mechanisms of brain disorders
オーガナイザー
鈴木 郁夫(東京大学)、末永 雄介(千葉県がんセンター)
詳 細

ヒトは進化的に近縁な類人猿と比較して腫瘍をはじめとする疾患に罹患しやすい。進化的側面から脳疾患や脳発達のメカニズムに迫る研究を紹介する。

2MS-02 11月28日(木)
15:10-16:30
オルガネラリレー / Organelle Relay
公募企画J
病態を規定するオルガネラ形成機構と疾患研究
The Mechanisms of Organelle Formation Which Define Pathogenesis
オーガナイザー
山田 幸司(東京慈恵会医科大学)、吉田 彩舟(東邦大学)
詳 細

近年、細胞内のオルガネラが単独で働くのではなく、「コンタクトサイト」や「ゾーン」を形成して協調し、他のオルガネラを制御・生成して生命現象や病態に関与することがわかってきた。本シンポジウムでは、がんや遺伝病など様々な疾患に着目し、複数のオルガネラが連携する仕組みとその病態との関わりについて深く議論したい。本シンポジウムを通して、新たな細胞内オルガネラの概念や疾患の治療法開発戦略の創出につなげたい。

2MS-04 11月28日(木)
15:10-16:30
光と量子で視る / Seeing with Light and Quantum
J
光と量子を活用した先端イメージング法の展開
State-of-the-art imaging techniques using Light and Quantum features
オーガナイザー
北村 朗(北海道大学)、新井 健太(情報通信研究機構)
詳 細

生化学反応や生体分子構造変化など生理現象を担う機構の解析や人為的操作は,バイオイメージングにおける次世代の課題である.これらを実現するためには,光の物理的原理である量子現象を理解し,積極的に活用することが求められる.本シンポジウムでは光イメージングに加え,量子現象を利用するイメージングを分子生物学や生体応用研究に展開する研究者による発表を通して,次世代バイオイメージングの可能性を議論する.

2MS-05 11月28日(木)
15:10-16:30
動的構造計算 / Structure analysis and MD-simulation
J
タンパク質の動的構造理解を介した疾患関連分子の治療標的探索
Identification of target sites in disease-relevant proteins through super-resolution molecular dynamics simulations
共催:科研費・挑戦的研究(開拓)「動くタンパク質構造辞典構築を介した疾患関連分子の新規標的部位探索」
オーガナイザー
片山 量平(がん研究会)、荒木 望嗣(京都大学)
詳 細

本シンポジウムでは、疾患に関連するタンパク質の構造について、超高精度な動的タンパク質構造シミュレーション解析を通じ、疾患治療薬やリガンドなどと標的タンパク質の構造および親和性を計算科学・シミュレーションによって理解・予測し、新規の治療法開発につなげていこうという取り組みを紹介する。特に、最新の構造解析とスパコンを用いた超高精度動的構造シミュレーションにより、疾患関連タンパク質や、それに対する薬剤等の作用を可視化を通じて深く理解し、より効果的な治療法を見出すための最新研究を紹介いただく。

2MS-06 11月28日(木)
15:10-16:30
幹細胞性理解 / Understanding stemness
公募企画J
幹細胞性の理解と創造
Understanding and inducing stemness
オーガナイザー
松田 泰斗(九州大学)、三浦 静(九州大学)
詳 細

我々の体に存在する異なる組織幹細胞は組織恒常性を維持している。これらの幹細胞はそれぞれ固有の役割を有しているが、一時的な増殖停止(休止)、増殖、分化に加えて老化による機能低下などの共通性もある。本シンポジウムでは、組織幹細胞研究者が集結し、幹細胞機能の共通性・固有性を決定する遺伝子発現ネットワーク特定を目指す。また、これを利用して、リプログラミング誘導による幹細胞性の再現が可能であるのか議論する。

2MS-07 11月28日(木)
15:10-16:30
原因因子と脳疾患 / Causal factors and brain disease
公募企画J
原因タンパク質の新規機能から再考するFTLD-TDPの病理形成メカニズム
Rethinking FTLD-TDP from novel action of causal proteins
オーガナイザー
田中 良法(岡山理科大学)、橋本 恵(お茶の水女子大学)
詳 細

前頭側頭葉変性症(FTLD)は前頭葉や側頭葉に萎縮が生じる認知症である。核タンパク質TDP-43の細胞質内蓄積を特徴とするFTLD-TDPは、FTLD全体の半数程度を占めるが、病理形成機構が明らかとなっておらず、効果的な治療法は開発されていない。本シンポジウムでは先端研究を行う若手研究者が、近年明らかとなってきたFTLD-TDPの病理像や原因タンパク質の新規機能を中心に紹介し、想定されるFTLD-TDPの病理形成機構を議論する。

2MS-08 11月28日(木)
15:10-16:30
DDR研究とがん / DDR research for cancer therapy
公募企画J
がん治療に直結するDNA損傷応答研究
Practical DNA damage response research for cancer therapy
オーガナイザー
村井 純子(愛媛大学)、笹沼 博之(東京都医学総合研究所)
詳 細

DNA修復機構やゲノム損傷応答については、これまで多くの研究が積み重ねられ、それらの破綻が細胞死、変異の蓄積、がん化をもたらすことが明らかになってきた。本ワークショップでは、ゲノム損傷応答研究をバックグラウンドにもつ研究者がそれぞれの最新研究を紹介し、研究成果をどのように実際のがん治療に生かそうとしているのか、実際いつ、どの段階で臨床にフィードバックできそうか、現時点で何が不足しているのか、を真剣に議論する。

2MS-09 11月28日(木)
15:10-16:30
ゲノム編集の応用 / Application of genome editing technology
公募企画J
ゲノム編集技術の様々な分野での進展
Advances in genome editing technology in various fields
後援:日本ゲノム編集学会
オーガナイザー
山本 卓(広島大学)、刑部 祐里子(東京科学大学)
詳 細

人工のDNA切断酵素を利用したゲノム編集は、2012年のCRISPR-Cas9の開発以降、ライフサイエンス研究者へ急速に広がり様々な分野での応用が進んできた。本シンポジウムでは、微生物から動物・植物におけるゲノム編集研究の進展について議論する。

2MS-10 11月28日(木)
15:10-16:30
超越的DOHaD / Transcendental DOHaD
J
世代を超えた DOHaD
Intergenerational "Developmental Origins of Health and Disease"
協賛:日本DOHaD学会
オーガナイザー
河合 智子(国立成育医療研究センター)、根本 崇宏(日本医科大学)
詳 細

胎芽期・胎生期から出生後の発達期における望ましくない環境が将来の健康や疾患発症リスクに影響を及ぼすと考えるDOHaD (Developmental Origins of Health andDisease)学説が提唱されて15年が経過した。疫学研究やモデル動物研究から、望ましくない環境がその環境に曝された個体だけでなく子孫にまで影響を及ぼすことが、明らかになってきている。本シンポジウムは、様々な分野の新進気鋭の研究者から環境により形成される疾患発症リスクの世代間伝搬メカニズムについて議論したい。

2MS-11 11月28日(木)
15:10-16:30
骨格筋を考える / Skeletal Muscle Explorer
E
骨格筋生物学・分子病態学へのいざない
Embark on the Journey to Skeletal Muscle Biology and Molecular Pathophysiology
共催:日本筋学会
オーガナイザー
鈴木 直輝(東北大学)、青木 吉嗣(国立精神・神経医療研究センター)
詳 細

骨格筋は人体最大の臓器であり、日常の運動や健康を維持する上で中心的な役割を果たし、また筋疾患のみならず生活習慣病や加齢性筋萎縮においても骨格筋の機能異常が深く関わる。超高齢化社会における健康寿命の延伸のためにも骨格筋の理解は欠かせない。本シンポジウムでは新潮流を創り出す気鋭の研究者が集い、分子レベルでの筋再生・肥大・萎縮、メカノバイオロジー、細胞膜の恒常性維持機構といった観点から議論する。

2MS-12 11月28日(木)
15:10-16:30
クロマチンアトラス / Chromatin Atlas
E
クロマチンアトラスから読み解く生命現象
Life Phenomena Deciphered by Chromatin Atlas
共催:ERATO胡桃坂クロマチンアトラス
オーガナイザー
岡田 由紀(東京大学)、滝沢 由政(東京大学)
詳 細

クロマチン高次構造は、転写・複製・修復・組換え等の調節を通じて、細胞機能ひいては生命現象と密接に関連している。従って、クロマチン高次構造を様々なスケールや側面から理解し、細胞機能との相関を解明することで、クロマチン構造と機能の関係性を普遍的に解釈しつつもその微細な調節機構の理解に迫ることができると期待される。本シンポジウムでは、最新の超微形態学的解析手法やクロマチンシーケンス技術を用いて、この課題に取り組む研究を紹介し、今後のさらなる研究展開について議論したい。

2MS-13 11月28日(木)
15:10-16:30
遺伝子編集マウス / Gene Editing Techniques for Mouse
J
革新的次世代遺伝子編集マウス作製技術の開発と応用
Developing and Applying Innovative Next-Generation Gene Editing Techniques for Mouse Model Generation
オーガナイザー
淺原 弘嗣(東京科学大学)、高橋 智(筑波大学)
詳 細

ヒトの発生、再生、修復の分子メカニズムの解明と疾患病態の理解に基づく創薬と治療法の開発において、マウスを主体とするモデル生物での遺伝子改変は重要な要素となる。本シンポジウムでは、CRISPR/Cas9とトランスポゾンシステム、人工染色体などを組み合わせた複数遺伝子の時空間的な編集マウス作製技術やレポーターマウスのシステムなどの最先端技術によって初めて明らかにされる分子・生物学的知見を紹介し、議論する。

2MS-14 11月28日(木)
15:10-16:30
現実⇔仮想 / Real-Virtual data science
J
現実と仮想を行き来するデータサイエンスによる生命科学研究
Life sciences research through data science: Navigating between reality and virtuality
オーガナイザー
岩見 真吾(名古屋大学)、阿部 真人(同志社大学 )
詳 細

これまでは、現実世界の問題を解くために、現実世界で得られた実験データや臨床データを統計的なアプローチで分析する研究が主流であった。しかし、機械学習や深層学習をはじめとした人工知能が台頭する時代、生命科学研究の在り方も変わってくる。たとえば、現実世界で得られたデータを数理モデルで解析できれば、定量的なコンピューターシミュレーションを開発することで、仮想世界において網羅的な分析が可能になり、得られた知見を現実世界で利活用できるようになる。本シンポジウムでは、最先端のAIテクノロジーを駆使した生命科学研究の在り方を具体例を交えながら議論して、未来の展望について議論する。

2MS-15 11月28日(木)
15:10-16:30
多層的代謝動態 / Multi-layered metabolic dynamism
J
生命理解と制御のための多層的代謝ダイナミズム
Multi-layered metabolic dynamism for understanding and controlling biological systems
オーガナイザー
小田 真由美(慶應義塾大学医学部)、服部 奈緒子(星薬科大学)
詳 細

代謝機能の正確な制御は細胞の生存と機能に不可欠であり、刺激に対する適切な応答が健全な細胞機能の維持に必要とされる。細胞増殖、分化、細胞死などの細胞イベントは、内的・外的刺激に応答して階層を超えた統合的な代謝カスケードの活性化を必要とし、その破綻は資源配分の変化や疾病につながる。本ワークショップでは、様々な細胞内イベントにおける代謝機能の制御に焦点を当て、その多層的なダイナミズムについて議論したい。

2MS-16 11月28日(木)
15:10-16:30
Wnt×異分野 / Wnt × interdisciplinary research
J
異分野融合から考えるWntシグナル研究の可能性
The encounter of Wnt signaling with interdisciplinary research
共催:Wnt研究会
オーガナイザー
菊池 浩二(熊本大学)、三井 優輔(基礎生物学研究所)
詳 細

Wntシグナルは様々な生命現象に関わり、その異常は先天性疾患やがんなどの疾患の原因となる。国内のWntコミュニティでは、2016年より研究会を開催してきた。最近ではWntシグナルに限らず発生/細胞生物・病態研究などから幅広い研究者の参加を呼び込み、学際的研究の萌芽・拡大から学術的な変革につながる事を期待している。本シンポジウムでは、若手研究者の演題を中心に最新の話題を紹介し、異分野間のインタラクションを促進する場を提供したい。

3MS-01 11月29日(金)
15:10-16:30
貪食生物学 / The Biology of Phagocytosis
公募企画E
貪食によって築かれる細胞機能の多様性
Various forms of phagocytosis: A Novel Insight into Evolution and Cell Diversity
オーガナイザー
森岡 翔(岐阜大学 /徳島大学 / バージニア大学)、津久井 久美子(国立感染症研究所 )
詳 細

細胞間コミュニケーションとして、貪食や、生細胞の一部を取り込むトロゴサイトーシスの重要性が認識されてきている。これまで生命の構成単位とされる細胞はひとつの自己として完成しており、丸呑みされ、ちぎり取られてシグナルを伝えるイメージは一般的でなかった。演者たちは、この独特なシグナル伝達の型が、細胞による多様な機能の獲得と、個体進化を促してきた可能性を独自に見出しており、この新しい視点を本ワークショップにて議論する。細菌から免疫細胞、くわえて様々な疾患に見られる多様な貪食の様相と細胞機能の多様性の繋がりをプレゼンすることにより、一見散発的な現象に普遍性を見つけ、進化の根源から存在する貪食能が持つ新たな可能性を伝えたい。

3MS-02 11月29日(金)
15:10-16:30
炎症研究地平 / Navigating inflammatory horizon
J
拡大する慢性炎症研究の地平
Expanding chronic inflammatory landscape
オーガナイザー
真鍋 一郎(千葉大学)、尾池 雄一(熊本大学)
詳 細

慢性炎症が生活習慣病、がん、加齢疾患を始めとする多様な疾患の発症・進展に寄与していることは広く認識されるようになった。近年の成育、加齢や病態における1細胞、組織レベルでのオミクス解析は、炎症のさらに多様な役割を明らかにしてきている。本シンポジウムでは、慢性炎症研究を拡大する最先端の研究を報告いただき、慢性炎症がどのように誘導され、臓器機能を維持しまた障害するのか、そのメカニズムを再考し、今後の慢性炎症研究を展望したい。

3MS-04 11月29日(金)
15:10-16:30
核膜生物学 / Nuclear Envelope Biology
公募企画J
核膜生物学の源流と新たな挑戦:核膜の本質から生命現象と病気を紐解く
The origin of nuclear envelope biology and the new challenges: The basis of the nuclear envelope provides insights into life phenomena and diseases
オーガナイザー
松村 美紀(愛媛県立医療技術大学)、志見 剛(金沢大学)
詳 細

真核細胞では、核膜がクロマチン高次構造を包み込むことによって核機能を制御する。核膜には数百のタンパク質が存在し、その遺伝子変異が核膜病と総称される多様な難治性疾患を引き起こす。本シンポジウムでは、核膜病に関連する代謝制御、炎症反応、免疫応答などの生命現象について、構造解析、画像解析、バイオインフォマティクス、臨床病態解析など様々な研究アプローチから得られた核膜生物学の最前線を「核膜の基本的な構造と機能」に結び付けて紹介する。

3MS-05 11月29日(金)
15:10-16:30
メタオミクス / Metaomics
公募企画J
疾患に関与する宿主と腸内細菌叢の相互作用研究
Metaomics: a powerful technology to reveal the function of Gut microbiota.
共催:日本プロテオーム学会
オーガナイザー
岩崎 未央(京都大学)、渡辺 栄一郎(北里大学)
詳 細

近年、環境微生物のタンパク質・代謝物全体の大規模解析が可能となった。その結果、腸内細菌叢と宿主細胞との相互作用による生体の恒常性維持や、そのバランス崩壊が引き起こす疾患の存在が明らかになりつつある。本セッションでは、このような環境微生物研究に焦点を当て、本分野を担う研究者による技術基盤と研究例を紹介し、今後の環境微生物研究の重要性と今後の課題を議論する。

3MS-06 11月29日(金)
15:10-16:30
有性生殖クロマチン / Sexual reproduction
J
有性生殖における染色体・クロマチン・核動態
Chromosome, chromatin, and nuclear dynamics in sexual reproduction
オーガナイザー
石黒 啓一郎(熊本大学)、行川 賢(University of California, Davis)
詳 細

性生殖に関連する様々なテーマを題材とする染色体・核・クロマチン研究の内容について発表および討論を行う。本セッションでは有性生殖にかかわる発生生物学、染色体動態、クロマチン構造、細胞分裂などの幅広い分野にまたがる研究内容を対象とする。有性生殖に関連する研究でありながら、生殖細胞発生、減数分裂、性分化、受精、初期胚発生などこれまで細分化されていた異分野の研究者が一同に会する場を提供することにより、演者と聴衆との相互交流・情報交換の促進を目的とする。

3MS-07 11月29日(金)
15:10-16:30
代謝ルネサンス / Toward a Metabolic Renaissance
J
代謝ルネサンス~恒常性という当たり前を揺らがせる~
Toward a Metabolic Renaissance: gazing at the nature by perturbing “homeostasis"
オーガナイザー
樫尾 宗志朗(東京大学)、守田 啓悟(東京大学)
詳 細

代謝は生命の根幹を為す要素の1つであるため、摂動に対する代謝恒常性は、ある種の常識的な生物学的応答と見なされつつある。しかし、代謝研究は古典的でありつつも、測定技術や解析手法、取り組む現象などのアプローチの進歩によって常にリバイバルされてきた研究領域でもある。本シンポジウムでは代謝恒常性という当たり前を掘り返すことを試みる。現象・要素・測定・システムの観点から新しい切り口を模索し、代謝研究の「再発見」に挑む。

3MS-08 11月29日(金)
15:10-16:30
タンパク質工学 / Protein engineering
J
タンパク質設計・工学の新展開 ―分子設計から分子進化研究―
Recent advances in protein design and engineering -from molecular design to molecular evolution-
オーガナイザー
八木 創太(早稲田大学)、新津 藍(理化学研究所)
詳 細

タンパク質デザインの進展は、自然界に存在しないタンパク質やこれらが組み合わさったシステムを設計し、基礎科学での活用にとどまらず、実用的側面での期待も大きい。しかしながら、コンピュータアルゴリズムや深層学習に基づき新規の配列を設計しても、一部の配列しか期待通りの機能を発現しない。このシンポジウムでは、目的に合致するタンパク質を合成するために、コンピュータサイエンスに基づいた設計のみならず、進化的な探索など、独自の工夫を組み入れた研究を紹介する。

3MS-10 11月29日(金)
15:10-16:30
紫外線損傷修復 / UV-induced DNA damage repair
E
先端技術で再考する紫外線損傷DNA修復機構
Mechanism of UV-induced DNA damage revisited by state-of-the-art technologies
オーガナイザー
松本 翔太(東京大学)、山元 淳平(大阪大学)
詳 細

太陽光中の紫外線は生物のDNA構造の化学的変化を誘起し、DNA複製や転写といった基本的な生命維持機構を阻害する。生物は長年の進化の過程において、この紫外線損傷を克服するため、さまざまな修復機構を発展させてきた。本シンポジウムでは、これまでに蓄積された紫外線修復の知見を基盤に、最先端の研究手法にて得られた結果から紫外線修復機構を再考し、紫外線修復研究の新世界を展開する。

3MS-11 11月29日(金)
15:10-16:30
遺伝子転写と疾患 / Transcriptional network and diseases
E
核内転写ネットワークとヒト疾患の治療標的
Intranuclear transcriptional network and therapeutic target of human diseases
オーガナイザー
伊藤 敬(長崎大学)、井上 聡(東京都健康長寿医療センター)
詳 細

転写因子、転写共役因子、クロマチン構造の変化を介した細胞核内ネットワークの協調による遺伝子転写とその異常が引き起こす正常発生、老化、癌発生のメカニズムの解明に焦点を当てる。特に、転写共役因子の異常による筋肉腫の発生、転写因子のデータベースに基づく筋・腱・骨格の発生機構、エストロゲンの標的としてミトコンドリアの超複合体形成を制御するCOX7RP、核内受容体と運動障害・骨折・関節疾患などの老化について議論する。さらに、クロマチンリモデリング複合体や分子標的抗癌剤のメカニズムを中心に、核内イベントと生命現象を取り上げる。

3MS-12 11月29日(金)
15:10-16:30
生体分子凝集伝播 / Assembly and propagation of biomolecules
E
生体分子の凝集・伝播機構と治療ツール開発への展開
Aggregation and propagation mechanisms of biomolecules and development of therapeutic tools
オーガナイザー
竹田 哲也(岡山大学)、末次 志郎(奈良先端科学技術大学院大学)
詳 細

タンパク質や脂質などの生体分子による自律的な集合やその細胞間伝播は,生体の恒常性維持に不可欠である.一方で,その制御異常は,細胞内外における生体分子の凝集を誘発し,様々な変性疾患の原因となる.さらにウィルスは,自律的な集合・伝播機構を巧みに利用して感染を拡大する.本シンポジウムでは,生体分子による凝集・伝播機構と,その異常による変性疾患に関する最新の知見と,それらをターゲットとした新たな治療ツール開発について議論する.

3MS-13 11月29日(金)
15:10-16:30
血管筋トレ学 / Vascular-mediated musculoskeletal regulation
J
血管がコミットする筋骨格系システム
The commitment of the vascular system into the musculoskeletal system
オーガナイザー
坂上 倫久(愛媛大学)、吉松 康裕(新潟大学)
詳 細

生体の恒常性維持や器官形成には組織ごとに発達した血管系の役割を理解することが重要である。近年、筋骨格系においても血管の重要性が明らかになりつつあり、健康で強靭な身体づくりには筋骨格系を支える血管への理解が求められる。本シンポジウムでは、筋骨格系に特化した血管の形成機構や、血管から産生されるアンジオクラインファクターの視点から筋骨格代謝制御機構をフォーカスし、最先端の知見から議論を深める。

3MS-14 11月29日(金)
15:10-16:30
不均一性生物学 / Quantitative Biology of Heterogeneity
公募企画J
不均一性制御の定量生物学
Quantitative Biology of Heterogeneity Regulation
オーガナイザー
中山 淳(大阪国際がんセンター)、宮田 憲一(がん研究会 がん研究所)
詳 細

近年のオミクス解析と1細胞解析の飛躍的な発展により、組織発生・加齢・がんなど、様々な細胞・遺伝子発現の不均一性が明らかになりつつある。本シンポジウムでは、生体内のあらゆる不均一性を「定量的」に捉え、生体内の細胞不均一性制御の本質に迫る。不均一性の定量解析、数理モデル、ライブイメージングなど、幅広い知見から生体内不均一性の制御と動態について議論する。

3MS-15 11月29日(金)
15:10-16:30
せりか基金の挑戦 / ALS research with SERIKA FUND
J
宇宙兄弟発「せりか基金」と共に推進するALS研究の最前線
Advancing ALS research with the SERIKA FUND born from the manga “Space Brothers"
オーガナイザー
浅川 和秀(国立遺伝学研究所)、井上 治久(京都大学)
詳 細

漫画「宇宙兄弟」をきっかけに設立された「せりか基金」は、難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の克服にむけた研究開発費を集める活動である。本シンポジウムでは、「せりか基金」と、基金の支援を受けて研究を推進する研究者が、ALSの克服にむけたそれぞれのアプローチを紹介し議論する。ALS研究が世代を超えて受け継がれるための大きい力となりつつある「せりか基金」の取り組みから、社会と深いつながりをもった将来の科学研究像ついても考える機会としたい。

3MS-16 11月29日(金)
15:10-16:30
メドDIY顕微鏡 / DIY Microscopy for Medical Researches
J
DIY・カスタム顕微鏡で挑む医科学研究
Challenging Medical Science Research with DIY and Custom Microscopy Systems
オーガナイザー
大友 康平(順天堂大学)、大嶋 佑介(富山大学)
詳 細

近年、生命科学研究における可視化解析法の進展は飛躍的であり、その需要はますます高まっている。しかし、これら先端技術の導入には、専門知識や機材導入に伴う費用の問題など、数々の障壁が存在する。本シンポジウムは、特に医科学研究に焦点を当て、顕微鏡システムのDIY構築やカスタムに挑戦する研究者達の取り組みを紹介する。専門外であることを理由にせず、「無いものは作る」哲学を採用することで、広がる視野、得られる洞察を議論したい。